ニュージーランド準備銀行(RBNZ)がタカ派的な見解を示したことで、「RBNZ利上げ観測」が市場のテーマとして浮上しています。政策金利は据え置かれたものの、投票結果が3対3に割れ、ブレマン総裁の決定票で据え置きが維持される異例の展開がNZドル上昇を後押し。マーケット参加者の視線は次回7月会合での利上げを先取りする動きに向いており、相場は利上げ前夜の環境を迎えています。
3対3の拮抗が示す利上げ前夜の状況
今回のRBNZ会合では、政策金利は2.25%に据え置かれました。しかし、その決定における投票内容は、利上げ支持3名、据え置き支持3名と完全に拮抗する結果となりました。最終的にブレマン総裁が投じた決定票によって据え置きが決定されましたが、2019年の金融政策委員会(MPC)設置以来で初めての同数決着となり、市場に強い印象を与えています。
同時に発表された声明文では、「2月時点の想定よりも早期かつ大幅な利上げが必要になる」との認識を全委員が共有していることが明らかになりました。この実質的な引き締めシグナルを受けて為替市場ではNZドル買いが優勢となり、対ドルで0.58ドル後半へ急上昇して前日の下落幅を即座に回復する強い動きに(図表参照)。直後のNZドル円も93.60円台へ急伸しました。

政策金利の据え置きという結果に対して相場が大きく反応した背景には、この「RBNZ利上げ観測」が単なる思惑にとどまらず、投票結果や声明文、インフレ見通しによって裏付けられた確度の高いシナリオとして受け止められている点があります。
次回7月会合へ向けNZドル強含みへ
RBNZの見通しによると、CPIは7-9月期に4.3%でピークを迎え、物価目標2%への回帰は2027年中頃まで遅れる見込みです。世界的なエネルギー価格の高騰に対応するため、財政リスクもインフレ上振れ方向にあると指摘されており、現行の金利水準を維持する余地は狭まっています。
ブレマン総裁は会見で「今後の会合で利上げの可能性が高い」と述べ、最終決定はデータに依存するとしながらも早期利上げに含みを持たせました。これにより、マーケット参加者の間では次回7月8日の会合での利上げ本格化が織り込まれ始めています。
為替市場では、「RBNZ利上げ観測」が強く意識される局面において、実際の利上げ実施を待たずして先回りのNZドル買いが入りやすくなります。足もとの相場はまさにその典型的な地合いにあり、金利差拡大への期待から、次回7月会合に向けて強含みで推移しやすい環境が整っています。今後はNZの各種経済指標が焦点となりますが、当面は利上げ観測がNZドル相場を下支えする見通しです。





