ストライカー、主力製品の販売が着実に増加
医療機器の大手のストライカー(SYK)が発表した2025年1-3月期決算は売上高が前年同期比12%増の58億6600万ドル、純利益が17%減の6億5400万ドルでした。調整後EPS(1株利益)は2.84ドルで、LSEGがまとめた市場予想の2.70ドルを5.2%上回っています。
製品の販売量が増える中で平均価格も小幅に上昇し、安定的な増収につながりましたが、減価償却費をはじめ、のれんの減損損失や医療機器規制の強化に伴うコスト増などが響き、GAAPベースの純利益は縮小しました。ただ、特別要因を除く調整後純利益は14%増の10億9700万ドルに達しています。
事業別では医療外科&脳神経技術部門の売上高が13%増の35億1100万ドルと好調です。この部門では3D画像モニターとロボットアームを組み合わせた手術支援システム、内視鏡と通信システム、患者の緊急搬送に使うストレッチャー、整形外科用の使い捨て製品、急性虚血性脳卒中の低侵襲治療用製品、脳神経外科の治療で使う手術用の機器などの開発と製造を手掛けています。
ストレッチャーや整形外科用の使い捨て製品などのメディカル事業の売上高が9%増の9億4500万ドル、内視鏡事業が11%増の8億6700万ドル)、手術支援システムなどの装置事業が9%増の7億3000万ドルと着実に伸びています。
人工関節などのインプラント製品を開発する整形外科&脊椎治療部門は売上高が10%増の23億5500万ドルで、骨折治療材料や人工関節などの製品が総じて売上高を伸ばしています。
決算発表時のガイダンスでは2025年12月通期の売上高の伸びを8.5-9.5%と予想し、今年1月に発表した8.0-9.0%から上方修正しました。調整後EPSは今回、13.20-13.45ドルと予想し、買収効果を差し引きましたが、実際には前回発表時の予想を据え置いています。
エレクトロニック・アーツ、スポーツゲームが好調
ゲーム開発のエレクトロニック・アーツ(EA)が発表した2025年1-3月期決算は売上高が前年同期比7%増の18億9500万ドル、純利益が40%増の2億5400万ドルでした。調整後EPS(1株利益)は1.21ドルで、LSEGがまとめた市場予想の1.09ドルを11.2%上回っています。
同社は家庭用ゲーム機、パソコン、モバイルフォン、タブレットなどのプラットフォームに向けたゲームの開発や配信を手掛けています。バトルロイヤルシューティングゲームなどに加え、スポーツゲームに強みを持ちます。
2025年3月通期決算は売上高が前年比1%減の74億6300万ドル、純利益が12%減の11億2100万ドルと苦戦しており、2025年1-3月期の好決算が通期の低迷を和らげた格好です。特にアメリカンフットボールゲームの「カレッジ・フットボール」やサッカーゲームの「FC」といったスポーツゲームが好調でした。
ガイダンスでは2026年3月通期決算の売上高を71億-75億ドルと予想し、上限付近で前年並みになるとの見方を示しました。純利益は7億9500万-9億7400万ドルと前年実績を下回ると予想しています。
ドアダッシュ、総注文額が20%増と成長
フードデリバリーのドアダッシュ(DASH)が発表した2025年1-3月期決算は純利益が1億9300万ドルとなり、2300万ドルの純損失を計上した前年同期から黒字に転換しました。売上高は前年同期比21%増の30億3200万ドルです。EPS(1株利益)は0.44ドルで、LSEGがまとめた市場予想の0.39ドルを13.0%上回っています。
1-3月期にはデリバリーの注文数が18%増の7億3200万件に伸びています。日用雑貨や食品などを注文する消費者が増える中、1注文当たりの単価も上がっており、総注文額(GOV)は20%増の230億7600万ドルに達しました。
四半期ベースの純利益計上は3四半期連続です。ガイダンスでは2025年4-6月期のGOVを233億-237億ドル、調整後EBITDAを6億-6億5000万ドルと予想しています。2024年4-6月期の実績はGOVが197億1100万ドル、調整後EBITDAが4億3000万ドルだったので、ともに大幅な増加を見込んでいます。