ケイデンス・デザイン・システムズ、AI関連需要で20%増収
集積回路や電子機器の設計を自動化するEDAツールの開発会社、ケイデンス・デザイン・システムズ(CDNS)が発表した2025年4-6月期決算は売上高が前年同期比20%増の12億7500万ドル、純利益が30%減の1億6500万ドルとなりました。非GAAP(米国会計基準)のEPS(1株利益)は1.65ドルで、LSEGがまとめた市場予想の1.55ドルを6.1%上回っています。
生成人工知能(AI)関連の需要が売上高を押し上げ、2割増収を達成しました。売上原価や保守費用がかさんだ上、偶発債務関連の損失1億2900万ドルの計上が響き、純利益は縮小しましたが、株式報酬費用や偶発債務関連の損失などを除外した非GAAPベースの純利益は28%増の4億5000万ドルと伸びています。
アニルード・デブガン最高経営責任者(CEO)は自社製品の競争力と幅広さを理由に「AIインフラの構築から自律システムの物理AIなど新たなフロンティアに至るまで、加速するAIスーパーサイクル(需要急拡大期)の波の中でリードできている」と説明しています。
決算発表時のガイダンスでは、2025年12月期の売上高を52億1000万-52億7000万ドルと予想し、今年4月のガイダンスで示した51億5000万-52億3000万ドルから上方修正しています。GAAPベースの予想EPSは3.97-4.07ドルで、4月のガイダンスで示した4.21-4.31から下方修正しましたが、非GAAPのEPSは6.85-6.95ドルと予想し、4月の6.73-6.83ドルから引き上げています。
プロクター・アンド・ギャンブル、営業費用抑制で15%増益
プロクター・アンド・ギャンブル(PG)が発表した2025年4-6月期決算は売上高が前年同期比2%増の208億8900万ドル、純利益が15%増の36億1500万ドルでした。EPS(1株利益)は1.48ドルで、LSEGがまとめた市場予想の1.42ドルを4.2%上回っています。
売上原価の伸びが増収率を上回り、採算は悪化しましたが、販売管理費を6%減の59億300万ドルに圧縮し、営業利益率が上昇しています。
事業別では洗剤の「アリエール」や消臭スプレーの「ファブリーズ」などの商品がある洗剤・家庭用品部門が好調で、売上高が2%増の73億8500万ドル、純利益が11%増の13億7500万ドルです。紙おむつの「パンパース」などを擁するベビー・女性生理用品部門は売上高が2%増の50億9300万ドル、純利益が12%増の9億4800万ドル。トイレタリー製品の「パンテーン」や化粧品の「SK-II」といった商品がある美容部門は売上高が横ばいの37億3300万ドル、純利益が4%増の5億5700万ドルとやや伸び悩みました。
このほか電動歯ブラシや歯磨き粉の「オーラB」やのど飴の「ビックス」で知られるヘルスケア部門は売上高が2%増の27億2200万ドル、純利益が14%増の3億7200万ドル。「ブラウン」や「ジレット」などのひげそり製品に代表されるグルーミング部門は売上高が2%増の16億8300万ドル、純利益が19%増の3億7100万ドルとそろって2桁増益を達成しています。
2025年6月通期決算は売上高が前年比0.3%増の842億8400万ドル、純利益が7%増の159億7400万ドル、EPSが8%増の6.51ドル、コアEPSが4%増の6.83ドルでした。販売管理費が3%減の226億6900万ドルに縮小した効果に加え、前年に13億4100万ドルの減損引当金を計上した反動で純利益が伸びています。
ジョン・モーラー最高経営責任者(CEO)は2026年6月期の見通しについて「売上高の自律成長とコアEPSの伸び、力強いフリーキャッシュフローを見込んでいる」とコメントしました。
ガイダンスでは2026年6月通期の売上高について前年実績比で1-5%増えると予想しています。1%分は為替差益や売却益などを想定しており、実質の増収率を0-4%と見込んでいます。一方、コアEPSの予想は0-4%増の6.83-7.09ドルです。