S&P500が昨年末水準を回復

先週は主要3指数がそろって大幅反発 S&P500が昨年末水準を回復


先週の米国株式市場ではダウ平均が1405.36ドル高(+3.41%)、S&P500が5.27%高、ナスダック総合が7.15%高とそろって反発し、ともに4月11日週以来の週間上昇率を記録しました。


米中が前週末に関税の90日間の一時停止で合意したことがポジティブ・サプライズとなったほか、トランプ大統領が金曜日に、今後2-3週間以内に各国に対し関税を巡る書簡を送付すると述べ、韓国、インド、日本との合意も近い将来に実現する可能性を示唆したことで貿易交渉の進展期待が株価を支えました。


S&P500は13日火曜日に昨年末水準を回復すると、週末まで5日続伸し、年初来上昇率を1.30%に拡大しました。ダウ平均も金曜日に年初来で0.26%高と昨年末水準を回復し、ナスダック総合は年初来の下落率を0.52%に縮小しました。


S&P500はトランプ米大統領が4月2日に「相互関税」を発表したことで4月3日から急落し、4月7日には一時4835.04ポイントの年初来安値を付けました。2月19日に付けた終値の史上最高値6144.15ポイントからの下落率は21.31%となり、「弱気相場」入りとされるマイナス20%を一時上回りました。


しかし、トランプ米大統領が4月9日に「絶好の買い時だ」と自身のSNSに投稿したほか、「相互関税」を90日間、一時停止すると発表したことで、急速に買い戻しが強まりました。


S&P500は「相互関税」で下落する前の水準の5670.97ポイントから4月8日に4982.77ポイントまで終値ベースで12.14%安となりましたが、5月2日に終値で5686.67ポイントと急落前の水準を回復し、先週末では急落前の水準から5.07%高となりました。

 



年初来安値からの反発はメガキャップがけん引


S&P500は終値の年初来安値を付けた4月8日から先週末5月16日まで19.58%高と急反発しましたが、この期間の個別株の動向を見ると、テスラが57.7%高、ブロードコムが46.5%高、エヌビディアが40.6%高、ネットフリックスが36.9%高と時価総額上位銘柄が軒並み急騰しました。


このほか、マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、JPモルガン・チェース、アップル、マスターカード、アマゾン・ドット・コム、ウォルマートも20%超上昇し、S&P500をアウトパフォームしました。

 


マイクロソフトが時価総額トップとなり、アップルが3位に転落


トランプ米大統領の「相互関税」発表後の急落、急騰でメガキャップの時価総額ランキングに変動がありました。


年初からおおむね時価総額トップの地位を維持していたアップルは時価総額が年初の3兆6421億ドルから3兆1183億ドルに減少し、マイクロソフトの3兆4106億ドル、エヌビディアの3兆3062億ドルに次いで3位に後退しました。


テスラは年初の時価総額が1兆2216億ドルと第7位でしたが、4月上旬の急落で時価総額が7100億ドル台まで減少し、ランキングでバークシャー・ハサウェイ、ブロードコムに抜かれ9位となりました。その後急反発し、1兆1019億ドルまで時価総額が回復しましたが、ランキングではバークシャー・ハサウェイの1兆1046億ドルを下回る8位となりました。

 





国際金融情報部 アナリスト

羽土 美幸

富山県出身。国内証券で株式等の営業、仏系証券でポートフォリオ分析、転換社債、エクイティ・デリバティブの分析・開発・営業などを担当。 2014年からDZHフィナンシャルリサーチにおいて米国株式、金融市場レポート編集、海外ETF業務を担当。

羽土 美幸の別の記事を読む

人気ランキング

人気ランキングを見る

連載

連載を見る

話題のタグ

公式SNSでも最新情報をお届けしております