串カツ田中ホールディングス(3547) 決算好調で株価も急上昇 株主優待にも注目

串カツ田中ホールディングス(3547)は、「串カツ田中」、「天のめし」「鳥玉」「焼肉くるとん」などのブランドで関東圏を中心に全国規模で飲食事業を展開しています。


主力ブランドの串カツ田中の店舗数は2025年5月末時点で343店舗(直営店:168店 FC店:164店)。店舗分布は関東地方が187店舗(全体の56.3%)、関西地方が43店舗(全体の13.0%)、中部地方が42店舗(全体の12.7%)、九州地方が31店舗(全体の9.3%)、その他が29店舗(北海道3、東北17、中国5、四国4店舗)となっています。



串カツ田中ホールディングスの直近の決算は?

7月16日に串カツ田中ホールディングスの株価が急騰しました。要因は15日に発表した25.11期上期決算(12-5月)において、連結営業利益は6.8億円(前年同期比49.9%増)となり、上期の会社計画4.0億円を大きく上振れたことと考えられます。


同社では、上振れの要因を「創業祭や他業種とのコラボレーションなどのキャンペーンの開催、メディアを通じたブランド認知の拡大、新業態の立ち上げや新商品の導入、コロナ禍で短縮していた営業時間の延長により、来店客数が計画値を上回った。価格改定を行わず従前の価格を維持していることも集客につながった」と説明しています。


注目したのは「価格改定を行わず従前の価格を維持している」という点です。最近は飲食店の値上げが続いており、各社の月次の売上高は、客数は減少したものの、客単価の上昇により、前年同月実績を上回るという結果が多くみられます。

一方、串カツ田中HDの月次実績を確認してみると、以下のようになっています。



このように既存店客単価は小幅な上昇にとどまっており、既存店売上高の増加の大部分は既存店客数の増加が要因となっています。



串カツ田中ホールディングスの株価動向は?

7月16日の決算発表以降、堅調な株価推移が続いています。直近では連日で年初来高値を更新。一時的な株価上昇ではなく好調な決算を受けた水準訂正の動きであると考えられます。串カツ田中の好業績が株価を押し上げている状況です。


【串カツ田中ホールディングスの日足チャート(2025年4月1日~8月20日まで)】



串カツ田中ホールディングスの株主優待の内容は?

串カツ田中ホールディングスの株主優待制度は、同社の株式保有者にとって人気の制度です。

具体的な株主優待の内容は、毎年11月30日現在の株主名簿に記載又は記録された当社株式1単元(100株)以上を保有している株主に対し、保有株式数に応じて「お食事ご優待券」を電子チケットにて贈呈しています。


・保有株式数が100株以上300株未満の場合

「2000円相当(1000円券2枚)のお食事ご優待券」


・保有株式数が300株以上600株未満の場合

「4000円相当(1000円券4枚)のお食事ご優待券」


・保有株式数が600株以上900株未満の場合

「6000円相当(1000円券6枚)のお食事ご優待券」


・保有株式数が900株以上の場合

「8000円相当(1000円券8枚)のお食事ご優待券」


串カツ田中の株主優待は外食好きの個人投資家からも好評で、優待狙いの長期保有層も多いのが特徴です。



最後に

家族で食事に出かけると想定以上にお金がかかるようになったと感じている人は多いと思います。そのような状況のなかで、串カツ田中のような「価格改定を行わず従前の価格を維持している」お店はありがたい存在です。以前からファミリー層の取り込みにも注力している同社ですが、今後さらに取り込みが加速し、収益を拡大させることが期待されます。


会社を応援することを目的に株式を購入してみるのもよいでしょう。同社は株主優待も実施していますので、長期目線でのんびり保有することをおススメします。



日本株情報部長

河賀 宏明

証券会社、事業会社におけるIR担当・経営情報担当、FPや証券アナリスト講師などを経て2016年に入社。 金融全般に精通。証券アナリスト資格保有。 「トレーダーズ・ウェブ」向けなどに、個別株を中心としたニュース配信を担当。 メディア掲載&出演歴 株主手帳、日経CNBC「朝エクスプレス」、日経マネー

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