「人気のS&P500に投資したら、15年後にはいくらになっているんだろう?」
テレビやインターネットで「S&P500」という言葉を耳にする機会が増えました。2024年から始まった新しいNISA制度をきっかけに資産形成への関心が高まる中、S&P500は多くの個人投資家から絶大な人気を集めています。
しかし、投資初心者の方にとっては、「S&P500ってそもそも何?」「本当に儲かるの?」「100万円も投資して大丈夫?」といった疑問や不安も多いのではないでしょうか。
この記事では、S&P500の基本から100万円を15年間投資した場合の未来をシミュレーションや投資初心者におすすめの賢い始め方まで、分かりやすく解説していきます。この記事を読めば、S&P500への投資がより身近な選択肢に感じられるかもしれません。
そもそもS&P500って何?なぜこんなに人気なの?
S&P500とは、アメリカを代表する優良企業約500社の株価を基に算出される株価指数のことです。
Apple、Microsoft、Amazon、NVIDIAといった、私たちが普段から製品やサービスを利用している世界的な大企業が数多く含まれています。S&P500に連動する投資信託などを買うことは、これらアメリカのトップ企業群にまとめて少しずつ投資するようなもので、アメリカの経済成長という巨大な波に、あなたの資産も一緒に乗せていくイメージです。
ネット証券で購入できる投資信託で人気のある商品だと、以下の2つが挙げられます。
・eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
・SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
では、なぜこれほどまでに人気があるのでしょうか?
その理由として、短期的な下落を繰り返しながらも、長期的には右肩上がりで成長を続けてきたことが挙げられます。また、この金融商品だけで、手軽に分散投資ができる点も魅力です。
約500社もの優良企業に自動的に分散投資できるため、自分で何十社もの株を選ぶ手間が省けます。1つの企業の業績が悪化しても、他の企業の成長でカバーできる可能性があり、リスクを抑えながら安定したリターンを目指しやすいのが大きな魅力です。
100万円をS&P500に一括投資したら?15年後の未来をシミュレーション!
もし、あなたが100万円をS&P500に連動する投資信託に一括投資した場合、15年後には一体いくらになっているのでしょうか。将来の成長率をいくつかのパターンでシミュレーションしてみます。
※上記はあくまでシミュレーションであり、将来の運用成果を保証するものではありません。
S&P500は過去のデータを見ると、平均年間リターンがなんと7~10%にも達していました。この上昇率は、銀行預金では考えられない数字です。
たとえ保守的に見積もった年率3%の成長でも、15年間で50万円以上増える計算になります。もし過去の実績に近い成長が続けば、100万円が4倍以上の418万円になる可能性も秘めているのです。
賢い始め方は一括投資か積立投資?初心者におすすめなのはどっち?
シミュレーション結果を見ると「すぐにでも100万円を一括投資したい!」と思うかもしれません。しかし、投資の仕方には一括投資の他に、毎月コツコツと一定額を買い続ける積立投資という方法があります。
一括投資は、相場が右肩上がりの時には大きなリターンを期待できますが、もし投資した直後に相場が大きく下落した場合、大きな損失を抱え、回復まで時間がかかるリスクもあります。
一方、積立投資は毎月決まった額を買い続けるため、価格が高い時には少なく、価格が安い時には多く買うことができます。これにより、高値で購入するリスクを減らして、安定的に運用することも可能です。
どちらの方法にも一長一短がありますが、投資経験がゼロで不安な方は、リスクを時間で分散できる積立投資から始めるのが断然おすすめです。慣れてきたら一部の資金を一括投資するのも視野に入れてみてください。
画像引用元:NISA特設ウェブサイト 資産形成の基本|金融庁
100万円を15年で積み立てるシミュレーション
では、100万円を一度に投資するのではなく、15年間かけてコツコツと積み立てていった場合はどうなるでしょうか。
100万円を15年間(180ヶ月)で積み立てる場合、毎月の積立額は約5,555円となります。この金額を、S&P500に連動する投資信託で15年間積み立てた場合のシミュレーション結果を見てみましょう。
※上記はあくまでシミュレーションであり、将来の運用成果を保証するものではありません。
積立投資でも、元本の100万円が15年後には148万円や175万円に増える可能性が十分にあります。毎月5千円強という無理のない金額からでも、着実に資産を育てていくことができるのです。
始める前に知っておきたい!長期投資の心構え
S&P500への投資は、長期的に見れば非常に有望ですが、成功するためにはいくつかの心構えが必要です。
短期的な値動きに一喜一憂しない
株式市場は、良い時もあれば悪い時もあります。例えば2020年のコロナショックでは、S&P500は1か月で30%近く下落しており、不安感から資産売却する投資家も見られました。でもその後、わずか半年ほどで元の水準を回復しています。
大切なのは、そんな時に慌てて売却しないことです。積立投資であれば、価格が下がっている時はむしろ「安くたくさん買えるチャンス」と捉え、淡々と続けることが将来の大きなリターンにつながります。
余裕資金で行う
投資に使うお金は使う予定のない余裕資金を当てましょう。生活費や数年以内に使う予定のあるお金(教育資金や住宅購入の頭金など)を投資に回してしまうと、いざ支払いのタイミングで相場が急落したときに困ってしまいます。
NISA口座を最大限に活用する
投資で得た利益には通常約20%の税金がかかりますが、NISA口座内での利益は非課税です。このメリットは非常に大きいので、S&P500への投資はNISA口座から始めることを強くおすすめします。
まとめ
S&P500に100万円を15年間投資した場合、長期的に見れば資産を大きく増やすことができる夢のあるシミュレーション結果となりました。
しかし、投資の世界に絶対儲かる話はありません。リスクを正しく理解し、ご自身のペースで賢く付き合っていくことです。
毎月数千円、1万円といった少額からでも始められます。今回のシミュレーションを参考に、投資金額を設定し、資産形成の一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。