2025年11月5日「T&D保険グループ新語・流行語大賞」候補30語が発表されました。
社会現象となった「オンカジ」、家計を直撃する「物価高」、Z世代を中心に話題となった「平成女児」「ぬい活」などのキーワードが並んでいます。
新語・流行語は、言葉の流行だけではなく、消費者の消費行動や投資環境にも影響を及ぼしています。今回は候補30語の中から、投資との関連性が深い3つのキーワードに注目して解説していきます。
2025年新語・流行語大賞候補、「オンカジ」「物価高」「平成女児・ぬい活」とは
2025年のT&D保険グループ新語・流行語大賞候補は以下の通りです。(左から右に50音順)

出典:時事ドットコム「古古古米」「オンカジ」 流行語大賞、候補30語を発表
1.オンカジ(オンラインカジノ)
オンカジとは「オンラインカジノ」の略称です。2025年、著名人の摘発が相次ぎ社会問題化しました。
2月にはお笑い芸人・令和ロマンの髙比良くるまさんが、オンラインカジノ関与を疑われ活動を自粛しています。
6月には警視庁が人気グループ「JO1(ジェイオーワン)」の鶴房汐恩さんを単純賭博容疑で書類送検しました。さらにプロ野球選手、卓球男子オリンピックメダリストと、摘発は各界に広がっています。
2025年6月には「ギャンブル等依存症対策基本法」が改正されました。
改正法はカジノサイト開設・運営の他に、「○○カジノ 登録はこちら」「おすすめオンラインカジノ10選」と紹介するウェブ広告などを新たに「違法情報」と位置づけています。ブログやSNSの投稿、YouTubeの配信動画なども違法となります。
一般的に、当サイトなどで積極的に情報を収集し投資をする(する予定の)方は金融リテラシーが高めで、投資と異なる違法賭博に興味や関心を持つ人は少ないでしょう。
しかし「高配当投資」「必勝法がある投資案件」と称してオンラインカジノに誘導する詐欺が増加しており、SNSで近づき暗号資産での入金を促した後に出金拒否や資金持ち逃げをする事例も存在します。「自分は大丈夫」と思っている方でも、十分に注意しましょう。
2.物価高
「物価高」は、長期化するモノの値上がりを示す言葉です。
2025年9月の消費者物価指数は、生鮮食品とエネルギーを除く総合は110.8で前年比3.0%上昇しました。

出典:総務省統計局「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年9月分」
食品、外食、電気料金などあらゆる分野で値上がりが続いており、節約志向や買い控えが生活に定着しつつあります。
一方で2025年2月のBloombergでは、国内で純金融資産1億円以上を保有する世帯が約165万世帯となり過去最多を記録したことが報じられました。
株式や投資信託の値上がりによるもので、長期にわたる積立投資や確定拠出年金、NISAなどを通じて資産を増やし「気づいたら富裕層」になっている40~50代が多いという特徴があります。

3.平成女児、ぬい活
「平成女児」は、Z世代を中心とした女性の文化を象徴するキーワードです。
1990~2000年代のキャラクター文化やピンク・ラメといった可愛い世界観は、「平成ギャル」「平成女児」などと言われ、Y2K(2000年代)ファッションの再流行とも連動し、SNSを通じて再評価されZ世代を中心に広がりました。
Y2Kファッションとは、2000年代初頭(Year 2000=Y2K)に流行したファッションスタイルの総称です。
メタリックな素材、パステルカラー、ローライズパンツ、クロップドトップス、バタフライモチーフ、ラメやホログラムなど未来的でポップな雰囲気で、2020年代に入りZ世代を中心にリバイバルブームが到来しました。
「ぬい活」は、主に「推し(好きな有名人、キャラクターなど)」のぬいぐるみを始めとした「ぬい(ぬいぐるみ)」との日常を楽しむ活動です。
カフェや旅行にぬいぐるみを連れて撮影した写真をSNSに投稿する人が増加し、関連グッズや撮影用小物、専用ケースなど市場が拡大しています。
「平成女児」「ぬい活」の流れで欠かせないキーワードが、サンリオです。
同社はハローキティやシナモロールなど長く愛されるキャラクターを抱えており、国内外でファン層が再拡大しています。特にアジア圏の若年層に人気が高まり、テーマパークやライセンス事業が伸長しました。株価は2023年以降急上昇しており、キャラクターIP(知的財産)の持続的価値が見直されています。

出典:TradingView
サンリオを始め、キャラクタービジネスやエンターテイメントを展開する企業には「世界観の体験価値」をどう作るかが問われており、知的財産の強さや他業種とのコラボ、ファンとのコミュニティ形成がポイントとなるでしょう。
まとめ
2025年の新語・流行語候補30語の中で、投資と関連が深いものを解説しました。
個人投資家にとっては、上記のような社会トレンドが企業業績や市場環境にどう影響するかを読み解き、消費動向の変化を捉えながら長期的な視点で投資判断をすることが重要となります。
言葉の背景にあるトレンドの変化や消費動向、そして日本経済と世界経済の動向を理解することがより良い投資につながるでしょう。



