運用会社のfundnote(東京都港区)は、公募投資信託「匠(たくみ)のファンド kaihou(かいほう)」が、10月分の月次レポートを公開しました。
著名個人投資家の井村俊哉氏が投資助言を行う投資信託であり、別名「井村ファンド」とも呼ばれる投資家に人気の同ファンドですが、10月のパフォーマンスは、基準価額が13998円。前月比で677円(5.08%)高となりました。設定来では39.98%の上昇です。
非常に好調な数字ではありますが、同月の日経平均株価は前月比7478円(16.6%)高という、歴史的な上昇となりましたので、一見すると地味なパフォーマンスにも見えてしまいます。なお、同月のTOPIXのパフォーマンスが同プラス6.2%、グロース250指数はマイナス4.1%でした。
要因として、改めて説明するまでもないことかもしれませんが、はAI関連銘柄が9月に続いて大きく上昇する相場となったことが上げられます。、ソフトバンクグループ、アドバンテスト、東京エレクトロンなど、日経平均寄与度の高い銘柄の上昇が突出しており、そのほかのはむしろ資金を吸われて低調に推移する場面もありました。
そのなかできっちりとプラスを維持しているのはさすがと言えますが、それでも歴史的な日経平均の上昇にはついていくことは難しかったようです。特に10月は半導体関連の組み入れが多めのアクティブファンドであっても、日経平均を上回るパフォーマンスを出すことは難しかったことでしょう。
組み入れ上位銘柄

組み入れ上位10銘柄については、若干の変更がみられます。組み入れトップは非開示としてはいますが、有価証券届出書や大量保有報告書からも明らかになっているように大垣共立銀行<8361.T>となります。こちらは組み入れ比率が23.5%から30%に上昇しています。10月に大きく買い増したことになります。
同じく組み入れ2位とみられる大末建設<1814.T>で15%。9月の10.6%からこちらも保有割合が上昇しました。ただし、こちらは11月以降、さらに新しい動きがでています。
組み入れ上位6、9位、10位の電気機器、食料品については9月までにはなかった銘柄であり、新たに組み入れられたものになります。今後買い増していく可能性もありえそうです
ここまでは10月末時点の月次レポートをもとにしたものですが、11月に入ってからも井村ファンドには動きがみられています。複数の銘柄で大量保有報告が確認されてました。エフアンドエム<4771.T>は保有株をすべて売却したことが確認されています。また、前述した大末建設も11月13日受付分の変更報告書により保有割合の減少が確認されました。保有割合は9.72%に減少しています。
一方で、別に保有が明らかになった銘柄もあります。日本CMK<6958.T>は11月10日受付分の大量保有報告書により、同社株式の6.66%を保有していることが明らかになりました。同社は電気機器セクターですので6位もしくは9位がこちらの銘柄に該当するのでしょう。
先日の有価証券届出書からでも、かなりポートフォリオの入れ替えが進んでいる印象があります。投資家も井村ファンドが新規に組み入れた銘柄であっても、早期に売却するかもしれないという意識が広まっている印象もありますね。11月にはまたどんな変化があるのか気になるところです。



