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ドル円、狭いレンジ取引に終始
今週のドル円は155.56-157.75円の値幅2.19円の狭いレンジ取引となりました。週明け23日は片山財務相が足もとの円安進行について「完全にファンダメンタルズではなく投機」と述べ、「過度な為替変動には断固たる措置。介入はフリーハンド」との見解を示したことで円買い・ドル売りが優勢となりました。市場では「政府・日銀による為替介入への警戒感が高まっている」との声が聞かれる中、24日には155.56円まで値を下げています。ただ、そのあとは徐々に値動きが緩慢となりました。

*Trading Viewより
24日はドイツやスイスなどがクリスマス・イブで休場、英国やフランスは短縮取引となりました。また、25日は東京市場以外がクリスマスで休場。翌26日はドイツや英国など欧州主要市場がボクシングデーで休場となり、米国でも休暇中の市場参加者が多く、商いは閑散となりました。
投機筋のポジション、円売り越し(ドル円のロング)に転じる
米政府機関の閉鎖が終了したことで、米経済指標のなどの公表も始まり、米商品先物取引委員会(CFTC)による投機筋のポジションも公表が再開されています。ただ、最新のデータではなく、集計がまとまり次第、これまで公表されなかった分を順次発表しているという状況です。CFTC が今週12月23日(日本時間24日早朝)に発表した12月16日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円の対ドル持ち高は2942枚の円売り越し(ドル円のロング)となりました。投機筋のポジションが円売り越しに転じるのは今年1月28日以来となります。

*CFTCのデータを基にDZHフィナンシャルリサーチ作成
投機筋の円のポジションは昨年7月2日には18万4223枚の円売り越し(ドル円のロング)となり、2007年6月(18万8077枚)以来の高水準を記録していましたが、そのあとは一転して円買いポジションを構築する動きが優勢となり、4月29日には17万9212枚と過去最大を更新しています。ただ、それ以降はその動きが一服し、円買いポジションを縮小する動きに。12月16日時点で円売り越しに転じています。
ドル円の一目均衡表チャートを見ると
ドル円の一目均衡表チャートを見ると、週末の終値(156.57円)で転換線(156.09円)や基準線(156.07円)、雲(上限:154.70円、下限:151.69円)を全て上回っており、テクニカル的に底堅い展開が予想されます。また、マクロファンドなどが重要視している50日移動平均線が位置する154.96円も引き続き上回っており、上サイドへの期待が高まります。

*Trading Viewより
日銀による利上げも持続的な円買い・ドル売りにはつながらず、「円」が抱える構造的な弱さに対し即効性のある打開策はないことが改めて浮き彫りになっており、マーケットではドル円に対する強気の見方が一段と強まっています。あるストラテジストは「円のファンダメンタルズはかなり弱く、来年に向けても大きく改善するとは考えにくい」「来年は景気循環的な要因が一段と円安方向に作用する可能性があり、他国の高金利の長期化を織り込む中で日銀の金融引き締めの効果は限られる」との指摘がありました。一部ストラテジストからは「2026年末にかけて164~165円まで上昇する」との予想も聞かれています。

*IG証券より
なお、現在の私のポジションはドル円ロング@145.327円。政府・日銀による為替介入への警戒感は高まっていますが、基本的には上サイドを目指す展開が予想されます。11月20日の高値157.89円や年初来高値158.87円を上抜けた場合は、節目の160円突破も視野に入りそうです。
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