為替介入が重しに?!
代表的な暗号資産のビットコイン(BTC)は2026年8月6日12時頃、対円では前週(7日前)比2.9%安の1018万円前後で取引されています。BTCドルが6万4500ドル前後と年初来では約26%安です。ただし、7月は7.3%上昇と3カ月ぶりの月間プラスで終えました。
BTC円は先月末、1060万円手前で伸び悩んでいたところから1000万円割れまで下落。8月3日には975万円台まで売り込まれました。要因の1つは為替市場で急速に円高が進んだことです。円安阻止を狙い、政府・日銀が大規模な円買いドル売り介入を実施。ドル円は163円台から一時155円台前半まで円高が進みました。

※Trading Viewより
一方、BTCドルも6万5000ドル台を維持できず、8月初めには6万2200ドル付近まで下げ幅を広げました。こちらは、上場企業で最もBTCを保有しているストラテジー社がBTCを売却したことが話題となっています。
3日に米証券取引委員会(SEC)が開示した内容によると、同社は7月27日から8月2日の間で、1638BTCを1BTCあたり平均6万3957ドルで売却しました。これで、ストラテジー社のBTC保有残高は84万2138BTCとなりました。依然、巨額なことに変わりありません。

※Trading Viewより
現物ETF、積極的な勧誘を解禁
米金融大手のモルガン・スタンレーは、約1万6000名の所属ファイナンシャル・アドバイザーに対し、ブラックロックとフィデリティの現物ビットコインETFを適格顧客へ積極的に勧誘することを正式に許可しました。大手証券会社がこうした形でETFの能動的な営業を解禁するのは今回が初めてであり、富裕層向けの伝統的な資産運用の世界に、ビットコインが正式に組み込まれ始めたことを示しています。
こうした機関投資家の動きを反映してか、7月の月間ETFデータでも興味深い変化が見られました。現物イーサリアムETFへの純流入が約3億6500万ドルだったのに対し、ビットコインETFへの流入は約1億7200万ドルにとどまりました。先週お伝えしたステーキング報酬の還元解禁を追い風に、機関投資家の関心がイーサリアムへも広がっていることがわかります。

※CoinMarketCapより
関心は「静かに変わった」
市場が成熟しつつある一方で、気になるデータもあります。Googleトレンドによると、米国における「Bitcoin」の検索数が低下傾向にあり、直近では2026年初めのピークから大幅に落ち込んでいます。かつての熱狂が冷めたように見えますが、これを単純に悲観する必要はなさそうです。
米調査会社Riverによると、米国内のビットコイン保有者数はゴールドの保有者数をすでに上回っているとされています。短期的な投機目的の関心から「長期的なポートフォリオ資産としての定着」へとフェーズが移行していることが示唆されています。
「Bitcoin Ownership in the US Surpasses Gold for the First Time」Bitget
毎日検索して価格を追いかける人は減っても、静かに持ち続ける人が増えているという構図です。ある意味では、市場が落ち着いてきた証拠とも言えるかもしれません。
規制の明暗、日本は前進 米国では…
国内では、暗号資産を「支払い手段」から「金融資産」へと再分類する法改正の動きが加速しています。先月お伝えした改正金融商品取引法の成立を受け、インサイダー取引への刑事罰導入や投資家保護の強化が進むほか、長年の懸案である申告分離課税への移行に向けた議論の土台が整いつつあります。暗号資産が株式や債券と同じ土俵で語られるようになることで、機関投資家や年金基金の参入もより現実的になってきます。
一方、米国のミネソタ州では8月1日より、ガソリンスタンドなどに設置された暗号資産ATM(キオスク)を禁止する法律が施行されました。高齢者を標的とした詐欺被害額が100万ドル規模に達したことを受けた措置で、全米でも異例の強硬な規制です。日本の「整備する規制」と、米国の「排除する規制」という対照的な動きですが、いずれも投資家保護という目的は共通しています。
「自分で管理する」リスクを忘れずに
ビットコインの魅力の一つは、銀行などを介さず自分自身で資産を管理できる点です。そのために使われるのがハードウェアウォレットですが、7月30日に深刻な事件が起きました。
ビットコイン専用ハードウェアウォレットの「Coldcard」Mk2・Mk3モデルにおいて、機器を動かす基本プログラム(ファームウェア)の2021年3月実装分にバグがあり、秘密鍵の生成に関わる乱数の質が著しく低下していたことが判明しました。
この脆弱性を悪用した攻撃により、約1200個のアドレスから合計1082BTCがわずか41分間で流出しました。
対象モデルを使用している方は、ファームウェアの更新だけでなく、新しいシードでウォレットを作り直し、資金を別のアドレスへ移動させることが緊急に求められています。「自分で管理する」ことは自由と責任の両面を持ちます。取引所に預けるリスクと、自己管理のリスク、どちらが自分に合っているかを改めて考えるきっかけにしてみてください。




