市場動向
2026年6月の暗号資産市場は、主要銘柄を中心に大幅安となりました。BTCは対ドルで月間約20.5%下落し、ETHは約21.5%下落しました。
同期間、暗号資産全体の時価総額は約2.57兆ドルから約2.17兆ドルへと減少しました。月間では約15.8%減少し、市場全体でも上値の重さが強まりました。BTC、ETHはいずれも2割前後の下落となり、主要銘柄全体で軟調な展開となりました。
現物ETF市場では、BTC、ETHともに月間ベースで純流出となりました。BTC現物ETFでは大規模な資金流出が続き、ETF経由の資金流出は相場の重しとなりました。ETH現物ETFも月間では純流出となり、主要暗号資産ETF全体で資金流出が優勢となりました。
一方、ステーブルコインの供給総額は月間で約2.2%減少しました。オンチェーン上の待機資金は減少し、DeFiプロトコルへの預入資産の規模を示すTVL(Total Value Locked)は、月間で約11.9%の減少となりました。
短期的には、ETFフローに加え、ステーブルコイン供給総額やTVLの推移が市場の地合いをみるうえで引き続き注目されます。
BTCやETHの価格推移
2026年6月のBTCは月初の約73600ドルから、月末には約58500ドルまで下落しました。月間では約20.5%の下落となり、月中に振れを伴いながらも、全体としては売り優勢となりました。
現物ETF市場では月間で大幅な純流出が確認されており、BTCの需給面では重しとなったとみられます。

※BTCドル、日足チャート 出所:TradingView
ETHも月初の約2000ドルから月末には約1570ドルまで下落しました。下落率は約21.5%となり、BTCと比べても下落幅はやや大きくなりました。主要銘柄のなかでは、ETHの軟調さも目立ちました。

※ETHドル、日足チャート 出所:TradingView
ETFフロー
2026年6月の現物ETF市場では、BTC、ETHともに月間ベースで純流出となりました。月初から流出が目立ち、その後も流出超過となる日が多く、月間では資金流出が優勢となりました。
BTC現物ETFは、6月の純流出額は約45.1億ドルとなりました。1日、2日、3日、5日には比較的大きな資金流出がみられました。月中には若干の流入もみられたものの、月後半も流出超となる日が多く、月間ベースでは大幅な純流出となりました。

※BTC現物ETF、日次資金フロー 出所:sosovalue
ETH現物ETFは、6月の純流出額が合計で約5.29億ドルとなりました。8日、15日、16日には流入がみられたものの、1日、2日、3日、9日、10日などには流出がみられました。特に月初の連続流出が目立ち、月間では純流出となりました。

※ETH現物ETF、日次資金フロー 出所:sosovalue
ETH現物ETFは一部の日に流入がみられたものの、月全体では流出優勢となりました。BTC、ETHともに現物ETFから資金が流出しており、価格とETFフローの両面で軟調な動きとなりました。
オンチェーンデータ
2026年6月末時点では、主要暗号資産の価格が大きく下落する一方、オンチェーン指標も弱含みとなりました。ステーブルコインの供給総額は小幅に減少し、DeFi TVLは大きく低下しました。
ステーブルコインの供給総額は、月間では約3194.6億ドルから約3123.5億ドルへと減少しました。月間では約2.2%の減少となり、オンチェーン上の待機資金は縮小しました。主要銘柄の価格が大きく下落し、ETFフローも純流出となる中で、ステーブルコイン市場でも供給総額の減少がみられました。

※ステーブルコイン供給総額 出所:defillama
DeFiセクターのTVL(Total Value Locked)は、月初の約799.1億ドルから月末には約704.2億ドルへと減少しました。月間では約11.9%の減少となりました。ステーブルコイン供給総額の減少幅が比較的小幅にとどまった一方、DeFi TVLは二桁減となり、同分野への資金流入は限られ、オンチェーン上のリスク選好の弱まりを示唆しています。
暗号資産関連ニュース
2026年6月は、米国を中心に、暗号資産ETFやデリバティブ、ステーブルコインを巡る制度整備や事業展開が進みました。日本でも、暗号資産取引の規制枠組みや外国発行ステーブルコインの取扱いに関する動きがみられました。
米国では、米証券取引委員会(SEC)が6月30日、新たな資産クラスや投資戦略を用いる「新たな運用手法を用いるETF」を巡り、規制のあり方について意見募集を開始しました。暗号資産ETFなどの新たな商品を対象に、市場のイノベーションと投資家保護の両立を図る姿勢を示しました。
また、米国では暗号資産デリバティブを規制下の市場に取り込む動きもみられました。5月末に米商品先物取引委員会(CFTC)がカルシEX(KalshiEX)によるビットコイン永久(パーペチュアル)先物の上場を承認したことを受け、6月18日にはCMEグループがCFTCを提訴しました。暗号資産デリバティブの規制上の位置付けが改めて注目されました。
ステーブルコイン分野では、ビザ、マスターカード、コインベースなどが参加する企業連合が、米ドル連動型ステーブルコイン「Open USD」を発表しました。決済や送金分野でのステーブルコイン活用拡大に向けた動きとして注目されます。
日本では、暗号資産取引に係る規制を資金決済法から金融商品取引法へ移管する法案が、6月10日に衆議院財務金融委員会で可決されました。暗号資産を金融商品として位置付け、利用者保護や市場の健全性向上を図る制度整備として注目されます。
ステーブルコイン関連では、一定の要件を満たす外国発行の信託型ステーブルコインを、資金決済法上の「電子決済手段」として位置付ける制度改正が6月1日に施行されました。外国発行ステーブルコインを国内で取り扱う際の制度上の位置付けが明確化されました。



