ビットコイン、売り圧力強まる
代表的な暗号資産のビットコイン(BTC)は2026年6月25日23時頃、対円では前週(7日前)比7.5%安の950万円前後で取引されています。BTCドルが2024年10月以来の5万8000ドル台、年初来33%超安の5万8600ドル前後と軟調です。
週明けは底堅く推移していたBTCですが、対円では1061万円台を頭に弱含みます。AI関連株への利益確定売りなどから株式市場が崩れると、つれて1000万円を割り込みました。960万円割れで下げ渋るも、1000万円超えでは伸び悩むと、25日夜中には940万円台と2月2日の年初来安値にほぼ並びました。

※Trading Viewより
BTCドルも週初の6万5500ドル前後で上値を抑えられ、その後は目だった戻りもないまま、6万ドルを割り込むと5万9000ドル手前まで下げ足を早めました。リスクセンチメント改善期待から6万1800ドル付近まで反発したものの、25日夜には2024年9月以来の安値となる5万8100ドル前後まで急落しました。
株式市場の「局所的な熱狂」がビットコインを圧迫
今週のビットコイン下落の主な引き金となったのは、暗号資産市場の内部要因ではなく、株式市場からの外圧です。6月12日にはSpaceXがナスダックに上場し、評価額約1.75兆ドルという大型IPOへの資金確保のため、ビットコインを売却する動きが観測されました。続く17日のFOMCでは、FRBが年内の利下げ期待を事実上排除し、インフレ見通しを引き上げたことで米ドル指数が13ヶ月ぶりの高値を更新。利息を生まないビットコインにはドル高が直接的な逆風となりました。
そして23日には韓国発のAI関連株急落がナスダック全体に波及し、ビットコインもリスク資産として同様の売りを浴びました。第198回でバイナンスリサーチが指摘した「AI・防衛株への資金集中」は当時も続いていましたが、今回はそれに加えてFOMCのタカ派姿勢とナスダック急落という新たな売り材料が重なり、状況はより複合的になっています。「デジタルゴールド」として株式市場と独立して動くはずのビットコインが、再びリスク資産として引きずられた構図です。
ETFの動きも厳しいままです。現物ビットコインETFは6週連続の純流出を記録し、直近30日間で約60億ドルが引き出されました。前回200回では「12日に久しぶりの純流入を記録した」とお伝えしましたが、それは一時的なものに終わり、本格的な資金回帰には至っていません。買い手の不在が続く中、価格の戻りも鈍い状況です。

買っても下がる」ストラテジーと強制清算の連鎖
198回でお伝えしたストラテジー社の32BTC売却後、同社は6月中旬に3000BTC以上を買い増しました。しかし今回、その後も買い増しを続けているにもかかわらず、相場は6万ドルを下抜ける場面まで売り込まれています。「大口が買っているのに下がる」という状況は、それだけ売り圧力が強く、機関投資家の需要が本格回復していないことを示しています。ストラテジー社の購入発表がかつてのように相場の支えとなりにくくなっている点は、今回の局面の新しい特徴と言えます。
価格が節目の6万3,000ドルを割り込んだことで、積み上がっていた買いポジションの強制清算も連鎖しました。24時間で数億ドル規模の清算が発生し、その8割以上がロングポジションだったため、売りが売りを呼ぶ悪循環となっています。6万ドル割れが定着してしまうようだと、更なる下値模索は避けられない状況です。

※Trading Viewより
それでも変わらない長期的な構造
弱気材料が積み重なる一方、中長期の視点では注目すべき変化もあります。ビットコイン供給量の79%が2年以上移動していない長期保有者の手中にあり、200回でお伝えした長期保有者の買い集めの流れは足元でも続いています。短期の売り圧力と長期の買い集めが綱引きを続けている状況です。
国内では2026年度与党税制改正大綱に申告分離課税(20%)と3年間の損失繰越控除の導入が明記され、長年の懸案だった税制改正がいよいよ現実味を帯びてきました。米国ではホワイトハウス顧問がビットコインを「戦略的資産」と位置づけ、上院が2030年までのCBDC発行を事実上禁止する法案を可決するなど、制度整備は着実に前進しています。
価格の下落が続く中、実際の利用現場では着実な変化も起きています。米国の老舗ファストフードチェーン「ステーキンシェイク」は、ライトニングネットワークを使ったビットコイン決済の導入により、クレジットカードと比べて処理手数料を約50%削減し続けていることを改めて確認しています。相場の上下とは無関係に、決済手段としての実用性が積み重なっていることは覚えておいてよいことかもしれません。
「Steak ’n Shake Says Bitcoin Payments Are Still Cutting Processing Fees by 50%」
今週のまとめ






