NYマーケットダイジェスト・7日 株大幅続落・金利上昇・ドル高・原油高

(7日終値)

ドル・円相場:1ドル=145.25円(前営業日比△0.11円)

ユーロ・円相場:1ユーロ=141.59円(▲0.51円)

ユーロ・ドル相場:1ユーロ=0.9744ドル(▲0.0047ドル)

ダウ工業株30種平均:29296.79ドル(▲630.15ドル)

ナスダック総合株価指数:10652.41(▲420.90)

10年物米国債利回り:3.88%(△0.06%)

WTI原油先物11月限:1バレル=92.64ドル(△4.19ドル)

金先物12月限:1トロイオンス=1709.3ドル(▲11.5ドル)


※△はプラス、▲はマイナスを表す。


(主な米経済指標)      <発表値>    <前回発表値>

9月米雇用統計

失業率             3.5%        3.7%

非農業部門雇用者数変化    26.3万人      31.5万人

平均時給(前月比)       0.3%        0.3%

平均時給(前年比)       5.0%        5.2%

8月米消費者信用残高     322.4億ドル    261.0億ドル・改


※改は改定値、▲はマイナスを表す。


(各市場の動き)

・ドル円は小幅ながら3日続伸。9月米雇用統計で非農業部門雇用者数が26.3万人増と予想の25.0万人増を上回り、失業率が3.5%と予想の3.7%より強い内容だったことが分かると、米連邦準備理事会(FRB)が積極的な金融引き締めを続けるとの見方が強まり、米金利の上昇とドル高が進んだ。4時30分前に一時145.44円と日通し高値を付けた。

 ただ、政府・日銀による円買い介入への警戒感が根強い中、9月22日に付けた年初来高値145.90円がレジスタンスとして意識されると144円台後半まで伸び悩む場面もあった。

 なお、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、11月1-2日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では通常の3倍にあたる0.75%の利上げ確率が前日の約75%から約82%まで上昇。さらに12月のFOMCでも0.75%の利上げを決める確率が24%程度(前日は7%程度)まで上がった。


・ユーロドルは3日続落。しばらくは0.9800ドルを挟んだもみ合いの展開が続いていたが、米雇用統計の結果が伝わると米長期金利の上昇とともにドル買いが優勢となった。22時前に一時0.9726ドルと日通し安値を更新した。

 24時前には0.9791ドル付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは鈍く引けにかけて再び弱含んだ。


・ユーロ円も3日続落。ユーロドルの下落につれた売りが出て一時141.20円と日通し安値を付けたものの、ドル円の上昇につれた買いが入ると142.14円付近まで下げ渋った。ただ、ダウ平均が一時780ドル超下落するなど、米国株相場が軟調に推移するとリスク回避の円買いが入ったため、戻りは鈍かった。


・米国株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に3日続落。良好な9月米雇用統計の結果を受けて、FRBが積極的な金融引き締めを続けるとの見方が強まると株売りが広がった。米長期金利が上昇したことで、株式の相対的な割高感が意識されたことも売りを誘い、一時780ドル下げた。

 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も大幅に3日続落した。


・米国債券相場で長期ゾーンは3日続落。良好な9月米雇用統計の結果を受けて、FRBが積極的な金融引き締めを続けるとの見方が強まると債券売りが優勢となった。


・原油先物相場は5日続伸。石油輸出国機構(OPEC)加盟国や他の主要産油国による枠組みOPECプラスによる大幅減産を後押しとする上昇が継続。週を通じて続いた上昇で一時93.26ドルと8月30日以来の高値をつけた。


・金先物相場は下落。米9月雇用統計が底堅い労働市場の状況を示す結果となり、FRBが高金利を維持するとの見方を強めた。金利が付かない資産である金の投資妙味が相対的に低下するとの見方が金相場を重くした。米金利上昇によるドル高も、ドルの代替資産とみなされることもある金への投資価値を低下させたり、ドル建て相場の換算値を押し下げたりした。

為替情報部 アナリスト

中村 知博

鹿児島出身。2007年国際金融情報サービス会社に入社。 外国為替取引会社・金融機関への24時間リアルタイム金融情報サービスの為替記者として従事。市場動向や見通しなどを解説する動画サービスの業務も経験。 2017年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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