NYマーケットダイジェスト・9日 株安・金利上昇・原油安・ドル底堅い

(9日終値)

ドル・円相場:1ドル=136.56円(前営業日比▲0.11円)

ユーロ・円相場:1ユーロ=143.85円(▲0.42円)

ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0540ドル(▲0.0016ドル)

ダウ工業株30種平均:33476.46ドル(▲305.02ドル)

ナスダック総合株価指数:11004.62(▲77.38)

10年物米国債利回り:3.58%(△0.10%)

WTI原油先物1月限:1バレル=71.02ドル(▲0.44ドル)

金先物2月限:1トロイオンス=1810.7ドル(△9.2ドル)


※△はプラス、▲はマイナスを表す。


(主な米経済指標)       <発表値>   <前回発表値>

11月米卸売物価指数(PPI)

前月比              0.3%      0.3%・改

前年比              7.4%      8.1%・改

食品とエネルギーを除くコア指数

前月比              0.4%      0.1%・改

前年比 6.2% 6.8%・改

10月米卸売売上高(前月比)    0.4%      0.1%・改


※改は改定値、▲はマイナスを表す。


(各市場の動き)

・ドル円は小反落。米10年債利回りが低下したことで円買い・ドル売りが先行。22時30分前に一時135.61円と日通し安値を付けた。

 ただ、11月米卸売物価指数(PPI)が予想を上回ったことで、米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めの長期化が改めて意識されると、米10年債利回りの上昇とともにドル買いが優勢に。12月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)速報値が予想を上回ったことも相場の支援材料となり、一時136.90円と日通し高値を付けた。

 もっとも、そのあとは徐々に値動きが鈍った。週末前に加えて、来週の11月米消費者物価指数(CPI)や米連邦公開市場委員会(FOMC)など重要イベントを前に積極的な売買は手控えられた。


・ユーロドルは3日ぶりに反落。欧州序盤に一時1.0588ドルと日通し高値を付けたものの、5日に付けた6月28日以来の高値1.0595ドルがレジスタンスとして働くと失速した。予想を上回る米PPIを受けてドル買いが強まると、一時1.0507ドルと日通し安値を更新した。市場では「来週のFOMCや欧州中央銀行(ECB)理事会など重要イベントを前に、ポジション調整目的のユーロ売り・ドル買いが出た」との声も聞かれた。


・ユーロ円も3日ぶりに反落。22時過ぎに一時143.17円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり144.11円付近まで下げ渋った。NY午後に入ると143円台後半で値動きが細った。


・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落。11月米PPIが予想を上回ったことで、FRBによる金融引き締めの長期化が改めて意識されると、株売りが広がった。米長期金利の上昇も相場の重しとなった。

 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反落した。


・米国債券相場で長期ゾーンは続落。11月米PPIが予想を上回ったことで、FRBによる金融引き締めの長期化が改めて意識されると債券売りが広がった。


・原油先物相場は6日続落。昨日まで5日続落し、連日1年ぶりの安値更新の動きが続いていることもあり、安値拾いの買いが先行するも、世界的な景気先行き不安が広がる中でエネルギー需要見通しへの警戒感も根強く、結局戻り局面では再び売りに押され続落して取引を終えた。


・金先物相場は4日続伸。11月末時点での中国の金準備高が約3年ぶりの増加となったことも金相場の支えとなっているもよう。ただ、来週に米欧英などで政策金利の発表を控えていることもあり、様子見ムードも強く、方向感は限られた。


為替情報部 アナリスト

中村 知博

鹿児島出身。2007年国際金融情報サービス会社に入社。 外国為替取引会社・金融機関への24時間リアルタイム金融情報サービスの為替記者として従事。市場動向や見通しなどを解説する動画サービスの業務も経験。 2017年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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