先週はS&P500採用の22銘柄が52週高値を更新
先週の米国市場では、ダウ平均が2.8%安、S&P500が3.4%安、ナスダック総合が4.0%安とそろって3週ぶりの大幅反落となりました。
5日発表の米11月ISM非製造業PMIや9日発表の米11月生産者物価指数(PPI)が予想を上回ったことで、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを長く続けるとの見方が強まり、利上げの長期化による景気悪化懸念が株式相場の重しとなりました。
こうしたなか、先週はS&P500指数採用の約500銘柄のうち、22銘柄が52週高値を更新しました。
高値更新銘柄数を業種別で見ると、ヘルスケアが7銘柄、生活必需品が6銘柄とディフェンシブ・セクターが上位に並び、一般消費財と金融の3銘柄がそれに次いでいます。
ヘルスケアでは、シグナなど7銘柄が52週高値を更新
52週高値更新銘柄数が最も多いヘルスケアでは、シグナ、アビオメッド、メルク、ギリアド・サイエンシズ、リジェネロン・ファーマシューティカルズ、バーテックス・ファーマシューティカルズ、イーライリリーの7銘柄が52週高値を更新しました。
年初来上昇率をみると、シグナ、バーテックス・ファーマシューティカルズ、メルクがそろって40%超の大幅高となり、2021年に65.4%高となったイーライリリーも30%超上昇しました。
ヘルスケア・サービスのシグナは株価収益率(PER)が15倍台とセクター・平均より低く割安感が強いほか、景気後退懸念が強まる中、業績の安定的な成長が評価され機関投資家が組み入れを増やす動きが続いています。
リフィニティブが集計するアナリスト24人の投資判断は、「強気買い」が3人、「買い」が13人、「保有」が8人で、目標株価の平均値は、359.50ドルで、3カ月前の319.00ドルから大幅に上昇しました。
株価は週明け12日の取引でも一時、前日比7.38ドル高(+2.2%)の339.50ドルまで上昇し、5営業日連続で52週高値を更新。7.18ドル高(+2.2%)の339.30ドルで終了し、年初来では47.8%高となりました。
生活必需品では、キャンベル・スープなど6銘柄が52週高値を更新
先週6銘柄が52週高値更新した生活必需品では、冷凍ポテトなどの加工食品メーカーのラム・ウェストン・ホールディングスなど食品関連株が堅調でした。
年初来上昇率をみると、ラム・ウェストンが35.0%高となったほか、キャンベル・スープ、ゼネラル・ミルズ、ハーシーも年初来で20%超上昇しました。
加工食品製造大手のキャンベル・スープが7日に発表した2023年度第1四半期(8-10月)決算は売上高が前年同期比15%増の25億7500万ドルとなり市場予想の24億5300万ドルを大幅に上回ったほか、調整後の一株当たり利益も1.02ドルと市場予想の0.88ドルを上回りました。
先週まで4週続伸した株価は、12日の取引でも前日比1.33ドル高(+2.4%)の56.99ドルまで上昇し、1.25ドル高(+2.3%)の56.91ドルで終了。年初来では31.0%高となりました。