NYマーケットダイジェスト・16日 株安・原油安・円高・ユーロ軟調

(16日終値)

ドル・円相場:1ドル=136.60円(前営業日比▲1.18円)

ユーロ・円相場:1ユーロ=144.83円(▲1.60円)

ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0586ドル(▲0.0042ドル)

ダウ工業株30種平均:32920.46ドル(▲281.76ドル)

ナスダック総合株価指数:10705.41(▲105.12)

10年物米国債利回り:3.49%(△0.04%)

WTI原油先物1月限:1バレル=74.29ドル(▲1.82ドル)

金先物2月限:1トロイオンス=1800.2ドル(△12.4ドル)


※△はプラス、▲はマイナスを表す。


(主な米経済指標)       <発表値>   <前回発表値>

12月米製造業PMI速報値       46.2       47.7

12月米サービス部門PMI速報値    44.4       46.2

12月米総合PMI速報値        44.6       46.4


※改は改定値、▲はマイナスを表す。


(各市場の動き)

・ドル円は反落。しばらくは137円台前半でのもみ合いが続いていたが、12月米製造業・サービス部門PMI速報値が予想を下回ったことが分かると円買い・ドル売りが優勢となった。3時30分過ぎには一時136.30円と日通し安値を付けた。一時は3.55%台まで上昇していた米10年債利回りが3.46%台まで上昇幅を縮めたことも相場の重し。

 なお、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁はこの日、「米連邦準備理事会(FRB)はインフレを2%に戻すために必要な行動を取る」「政策金利は14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で示した政策金利見通し(ドットプロット)よりも高くなる可能性がある」と述べたほか、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁は「物価安定の目標には程遠い」「政策金利がピークに達した後、まずは11カ月間据え置くことが妥当。必要ならより長く維持する用意がある」などと語った。


・ユーロドルは続落。欧州中央銀行(ECB)の積極的な金融引き締めがユーロ圏景気の悪化につながるとの懸念から、ユーロを売る動きが広がった。欧米株価の下落を背景にリスク・オフのドル買いが入ると、6時30分過ぎに一時1.0585ドルと日通し安値を更新した。


・ユーロ円は3日ぶりに反落。欧米中銀の積極的な金融引き締めが長期化するとの警戒感から世界的な景気後退懸念が強まった。ダウ平均が一時540ドル超下落するとリスク回避目的の円買い・ユーロ売りが強まり、6時30分過ぎに一時144.62円と日通し安値を更新した。


・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落。欧米中銀の積極的な金融引き締めが長期化するとの警戒感から世界的な景気後退懸念が強まり、株売りが優勢となった。12月米製造業・サービス部門PMI速報値が予想を下回ったことも投資家心理を冷やし、一時540ドル超下げる場面があった。

 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も3日続落した。


・米国債券相場で長期ゾーンは4日ぶりに反落。ECBの積極的な金融引き締め観測を背景に欧州債相場が下落すると、米国債にも売りが波及した。FRBの金融引き締め長期化も意識される。ただ、低調な米経済指標を受けて買い戻しが入ると下げ幅を縮めた。米景気後退への懸念が高まる中、安全資産とされる米国債に買いが入りやすい面もあった。


・原油先物相場は続落。欧米で景気後退への警戒感が高まるなか、エネルギー需要の減少が懸念されて売りが先行。弱い米経済指標も重しとなり、一時73ドル前半まで下げ幅を拡大した。ただその後、75ドル後半まで切り返す場面があった。バイデン政権が、戦略石油備蓄(SPR)を補充するため原油の買い戻しを開始すると発表したことに反応したもよう。ただ一巡後は再び売りに押され、弱含みのまま終えた。


・金先物相場は3日ぶりに反発。12月米製造業・サービス部門PMI速報値が予想を下回り、2020年5月以来の低水準を記録すると安全資産とされる金に資金が向かった。もっとも買い一巡後は週末を控えた持ち高調整が中心となり、明確な方向感は出なかった。

為替情報部 アナリスト

中村 知博

鹿児島出身。2007年国際金融情報サービス会社に入社。 外国為替取引会社・金融機関への24時間リアルタイム金融情報サービスの為替記者として従事。市場動向や見通しなどを解説する動画サービスの業務も経験。 2017年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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