株に投資をして利益が発生した場合は、確定申告をした上で利益に応じて税金を支払う必要があります。では、利益が出たにも関わらず、確定申告をしなかった場合はどうなるのでしょうか?
無申告加算税・延滞税が課せられる
確定申告せずに本来支払わなくてはならない税金を支払わなかった場合、税務署から罰則として、支払うべき税金の金額に加え、「無申告加算税」と「延滞税」が課せられます。
無申告加算税とは?
「無申告加算税」とは、確定申告の期限内に利益を申告しなかった場合に課せられる罰則金のことです。支払う税金の金額が50万円までの場合は納税額の15%、50万円を超える金額は20%相当額が追加徴収されます。
ただし、税務署から脱税を指摘される前に、確定申告漏れを申告すれば、無申告加算税をそれぞれ5%相当軽減してもらえます。つまり、50万円までの場合は10%、50万円を超える金額は15%相当の徴収額です。
延滞税とは?
「延滞税」は、本来支払う期限を過ぎた日数分のペナルティが追加で課せられる罰則金です。イメージとしては、レンタルショップの延滞金と同じですね。納付額にそれぞれ延滞税率と遅延日数をかけて365日で割り、計算されます。
納付期限を超えた日数が2ヶ月以内か2ヶ月を超えているかによって、延滞税率が変わります。延滞税率は毎年変更され、2023年度の延滞税率は、納税期限の翌日から2カ月間は2.4%、2ヶ月を超えてからは8.7%です。
2ヶ月以内に比べ、2ヶ月を超えた延滞税率はかなり大きくなります。確定申告し忘れてしまった場合、納付期限から申告書を提出した日までが遅延日数として計算されるので、申告漏れが発覚した時点でなるべく早く申告することがおすすめです。
重加算税が課せられる場合も
1度確定申告をし忘れてしまっただけならば、無申告加算税と延滞税を支払うだけで済む場合がほとんどです。しかし、何年も連続で確定申告をしていなかった場合や、故意に申告をせず隠ぺいしようとしたと判断される場合は、「無申告加算税に代わる重加算税」が課せられます。
確定申告をしなかったことにより重加算税が課せられる場合、追加徴収される金額は納税額の40%です。例えば、本来支払うべき納税額が20万円だった場合、無申告加算税は3万円ですが、重加算税では8万円が追加徴収されることになります。
さらに、一度無申告加算税や重加算税を課せられてから5年以内に再度申告漏れがあった場合、40%からさらに10%増額した50%の重加算税を支払う必要があります。かなり大きな金額となりますので、確定申告の漏れには充分注意してください。
その他の罰則・課税
確定申告をしなかった場合以外にも、罰則金が課せられる場合があります。ペナルティが発生する事例と罰則金の内容についてご紹介します。
延滞税
確定申告はしたものの、納税期限中に税金を納められなかった場合は、先ほど紹介した「延滞税」が課税されます。ただし、延滞税には免除期間が存在したり、遅延日数や納税金額によっては延滞税がかからなかったりするので、まずは税務署に問合せをしてみてください。
過少申告加算税
確定申告はしたものの、確定申告の内容が間違っており、本来納付すべき金額よりも少ない金額しか支払っていなかった場合は、「過少申告加算税」と「延滞税」が課せられます。過少申告加算税は、税務署から指摘される前に修正申告を自主的に行えば、支払う必要はありません。
過少申告加算税の計算方法は、差額で支払う金額の10%です。ただし、間違えて申告していた金額または50万円のどちらか大きな金額を超える場合、超えた分の金額は15%で計算されます。
過少申告加算税の重加算税
確定申告の内容が間違っていた場合は、過少申告加算税が課せられますが、税務署から確定申告の内容を故意に少ない金額で申告し、税金を少なく装ったと判断された場合、「過少申告加算税に代わる重加算税」が課せられます。
過少申告により重加算税が課せられる場合、追加徴収される金額は納税額の35%です。例えば、本来支払うべき納税額が20万円で10万円しか支払っていなかった場合、その差額10万円の35%にあたる3万5千円の重加算税が追加徴収されます。
確定申告が不要な場合
特定口座(源泉徴収あり)で株の取引を行っている場合、証券会社が代わりに源泉徴収して税金を支払ってくれているので、確定申告の必要も個人で納税する必要もありません。申告漏れや申告ミスが心配な人は、特定口座(源泉徴収あり)で取引すると安心です。
まとめ
株で利益が出たのに確定申告せずにいると、無申告加算税や延滞税、場合によっては重加算税が課せられることになります。面倒だと後回しにしていると、せっかく利益が出ても余分な出費が発生してしまうので、きちんと期限内に確定申告をして税金を納めましょう。