NYマーケットダイジェスト・13日 株高・金利低下・円安

(13日終値)

ドル・円相場:1ドル=132.42円(前営業日比△1.06円)

ユーロ・円相場:1ユーロ=141.99円(△1.60円)

ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0723ドル(△0.0045ドル)

ダウ工業株30種平均:34245.93ドル(△376.66ドル)

ナスダック総合株価指数:11891.79(△173.67)

10年物米国債利回り:3.70%(▲0.04%)

WTI原油先物3月限:1バレル=80.14ドル(△0.42ドル)

金先物4月限:1トロイオンス=1863.5ドル(▲11.0ドル)


※△はプラス、▲はマイナスを表す。


(主な米経済指標)

特になし


(各市場の動き)

・ドル円は反発。1月米消費者物価指数(CPI)の発表を明日に控える中、米10年債利回りが一時3.7531%前後と1月5日以来の高水準を記録すると、円売り・ドル買いが先行。1時過ぎに132.91円と日通し高値を更新した。

 明日14日に政府が次期日銀総裁として国会に提示する方針を固めている植田和男氏が、先週「当面は金融緩和を続ける必要がある」との認識を示したことで、金融緩和策の修正に対する警戒感が緩和していことも円売りを誘った。

 ただ、引けにかけては132.26円付近まで伸び悩んだ。米10年債利回りが低下に転じたことや、ニューヨーク連銀の最新調査で3年後のインフレ期待が2年3カ月ぶりの低水準となったことが相場の重し。

 なお、ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事はこの日、「我々が望むほどのインフレ緩和は見られない」「インフレを2%の目標に戻すために利上げを継続する」などと述べたが、相場の反応は限られた。


・ユーロドルも反発。欧州連合(EU)の欧州委員会がユーロ圏の2023年の実質成長率を0.9%と前回の0.3%から上方修正したことで、欧州経済の先行き懸念が和らぎユーロ買いが優勢となった。ダウ平均が一時380ドル超上昇するなど、米国株相場が堅調に推移するとリスク・オンのドル売りも出て、一時1.0730ドルと日通し高値を更新した。NY連銀調査を受けて米インフレ鈍化を期待したユーロ買い・ドル売りも入った。


・ユーロ円も反発した。欧米株高に伴うリスク・オンの円売り・ユーロ買いが優勢になると、一時142.39円と本日高値を更新した。

 次期日銀総裁の下での金融緩和修正が慎重に進むとの観測を背景に、ユーロ円以外のクロス円も上昇した。ポンド円は一時161.20円、豪ドル円は92.49円、NZドル円は84.47円、カナダドル円は99.55円、スイスフラン円は144.26円まで値を上げた。


・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。「SNS最大手メタ・プラットフォームズは新たに人員削減を計画している」との報道が好感されて同社株が上昇すると、マイクロソフトなど他のハイテク株にも買いが波及した。ニューヨーク連銀の最新調査で3年後のインフレ期待が2年3カ月ぶりの低水準だったことが伝わると、インフレ鈍化を期待した買いがさらに広がった。

 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日ぶりに反発。米長期金利の低下を受けて高PER(株価収益率)のハイテク株に買いが入った。


・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに反発。1月米CPIの発表を明日に控える中、売りが先行。利回りは一時3.7531%前後と1月5日以来の高水準を付けた。ただ、ニューヨーク連銀の最新調査で3年後のインフレ期待が2年3カ月ぶりの低水準だったことが伝わると、買い戻しが優勢となった。


・原油先物相場は続伸。取引時間中には一時80.62ドルまで上昇するなど底堅く推移していたが、終了後に米当局が戦略原油備蓄からさらに2600万バレルを売却すると発表すると79ドル台前半まで押し戻された。


・金先物相場は3日続落。米インフレの高止まりが警戒されるなか、明日に1月米CPIの発表を控えて持ち高調整目的の売りに押された。

為替情報部 アナリスト

中村 知博

鹿児島出身。2007年国際金融情報サービス会社に入社。 外国為替取引会社・金融機関への24時間リアルタイム金融情報サービスの為替記者として従事。市場動向や見通しなどを解説する動画サービスの業務も経験。 2017年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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