NYマーケットダイジェスト・27日 株高・金利低下・ポンド高・ユーロ高

(27日終値)

ドル・円相場:1ドル=136.19円(前営業日比▲0.29円)

ユーロ・円相場:1ユーロ=144.48円(△0.64円)

ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0609ドル(△0.0061ドル)

ダウ工業株30種平均:32889.09ドル(△72.17ドル)

ナスダック総合株価指数:11466.98(△72.04)

10年物米国債利回り:3.91%(▲0.03%)

WTI原油先物4月限:1バレル=75.68ドル(▲0.64ドル)

金先物4月限:1トロイオンス=1824.9ドル(△7.8ドル)


※△はプラス、▲はマイナスを表す。


(主な米経済指標)     <発表値>   <前回発表値>

1月米耐久財受注額

前月比            ▲4.5%     5.1%・改

輸送用機器を除く前月比    0.7%     ▲0.4%・改

1月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数)

前月比            8.1%      1.1%・改

前年比           ▲22.4%    ▲34.3%・改


※改は改定値、▲はマイナスを表す。


(各市場の動き)

・ユーロドルは6日ぶりに反発。一時は3.9766%前後と昨年11月10日以来の高水準を記録した米10年債利回りが3.89%台まで低下したことを受けてユーロ買い・ドル売りが先行した。独10年債利回りが2.593%前後と2011年以来約12年ぶりの高水準を付けたこともユーロ買いを促し、一時1.0620ドルと日通し高値を更新した。

 なお、市場では「ユーロ圏経済の底堅さやインフレ基調の高止まりから、欧州中央銀行(ECB)による利上げの最終的な到達点が想定より引き上げられる」との見方が強まっている。


・ユーロ円は続伸。ECBの利上げ継続観測を背景にユーロ買いが先行。欧米株価の上昇を背景に投資家のリスク志向が改善すると円売り・ユーロ買いが活発化し、6時前に一時144.55円と昨年12月20日以来約2カ月ぶりの高値を付けた。


・ドル円は反落。NY市場に限れば136円台前半での狭いレンジ取引に終始した。ポンドやユーロ絡みの取引が中心となったため、ドル円自体は大きな方向感が出なかった。


・ポンドは全面高。英国と欧州連合(EU)が北アイルランド問題で合意したと伝わると、ポンドを買う動きが広がった。ポンドドルは一時1.2066ドル、ユーロポンドは0.8790ポンド、ポンド円は164.35円までポンド高に振れた。

 スナク英首相とフォンデアライエン欧州委員長はこの日、「英国のEU離脱以降、両者の関係を険悪にさせていた英領北アイルランドの物流規則を巡り合意した」と発表した。


・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。先週大きく値を下げただけに、自律反発狙いの買いが入った。米長期金利が低下したことも投資家心理の改善につながり買いを誘った。指数は一時370ドル超上昇した。ただ、米利上げ継続への警戒から上値は重かった。

 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反発。米長期金利の低下を受けて高PER(株価収益率)のハイテク株には買いが入った。


・米国債券相場で長期ゾーンは反発。FRBによる金融引き締めが長期化するとの観測が高まる中、債券売りが先行。利回りは一時3.9766%前後と昨年11月10日以来の高水準を付けた。ただ、そのあとはポジション調整目的の買いなどが入り上げに転じた。市場では「利回りが節目の4%に接近したことで買いが入りやすかった」との声も聞かれた。


・原油先物相場は反落。ロシアのポーランドへの原油輸出停止を背景とした買いが一巡し、FRBによる利上げ長期化が米景気後退を招くとの警戒感で反落した。


・金先物相場は6日ぶりに反発。米長期金利が低下し、為替相場でドル安・ユーロ高が進んだことを受けて、5日続落した金相場に反動の買い戻しが入った。

為替情報部 アナリスト

中村 知博

鹿児島出身。2007年国際金融情報サービス会社に入社。 外国為替取引会社・金融機関への24時間リアルタイム金融情報サービスの為替記者として従事。市場動向や見通しなどを解説する動画サービスの業務も経験。 2017年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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