NYマーケットダイジェスト・28日 株安・金利上昇・原油高・ユーロ失速

(28日終値)

ドル・円相場:1ドル=136.17円(前営業日比▲0.02円)

ユーロ・円相場:1ユーロ=143.99円(▲0.49円)

ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0576ドル(▲0.0033ドル)

ダウ工業株30種平均:32656.70ドル(▲232.39ドル)

ナスダック総合株価指数:11455.54(▲11.44)

10年物米国債利回り:3.92%(△0.01%)

WTI原油先物4月限:1バレル=77.05ドル(△1.37ドル)

金先物4月限:1トロイオンス=1836.7ドル(△11.8ドル)


※△はプラス、▲はマイナスを表す。


(主な米経済指標)         <発表値>   <前回発表値>

1月米卸売在庫(前月比)       ▲0.4%      0.1%

12月米住宅価格指数(前月比)    ▲0.1%      ▲0.1%

10-12月期米住宅価格指数(前期比)  0.3%      0.1%

12月米ケース・シラー住宅価格指数

前年比                4.7%      6.8%

2月米シカゴ購買部協会景気指数    43.6       44.3

2月米消費者信頼感指数        102.9     106.0・改

2月米リッチモンド連銀製造業景気指数▲16       ▲11


※改は改定値、▲はマイナスを表す。


(各市場の動き)

・ドル円は小幅続落。米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めの長期化が意識される中、米10年債利回りが一時3.9806%前後と昨年11月10日以来の高水準を記録すると円売り・ドル買いが先行。23時30分過ぎに一時136.92円と昨年12月20日以来約2カ月ぶりの高値を付けた。

 ただ、2月米シカゴ購買部協会景気指数や2月米消費者信頼感指数が予想を下回ったことが分かると一転売りが優勢に。米10年債利回りが3.89%台まで低下したことも相場の重しとなり、一時135.74円と日通し安値を更新した。もっとも、引けにかけては136円台前半まで下げ渋った。


・ユーロドルは反落。フランスとスペインの消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回ったことを受けて欧州債利回りが上昇すると、NY勢もユーロ買いで参入。予想を下回る米経済指標が相次いだこともユーロ買い・ドル売りを促し、一時1.0645ドルと日通し高値を更新した。

 ただ、買い一巡後は次第に上値が重くなった。市場では「月末のロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだユーロ売りのフローが観測された」との声も聞かれ、一時1.0574ドルと日通し安値を付けた。


・ユーロ円は3日ぶりに反落。ドル円やユーロドルの上昇につれた買いが先行し一時145.47円と昨年12月20日以来約2カ月ぶりの高値を付けたものの、月末のロンドン・フィキシングに絡んだユーロ売りが出ると一転下落した。ドル円の失速も相場の重しとなり、3時過ぎには143.88円と日通し安値を更新した。


・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反落。FRBによる金融引き締めの長期化が意識される中、米長期金利が昨年11月10日以来の高水準を記録すると、株式の相対的な割高感が強まった。

 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反落した。


・米国債券相場で長期ゾーンは小反落。FRBによる金融引き締めが長期化するとの観測が高まる中、債券売りが先行。利回りは一時3.9806%前後と昨年11月10日以来の高水準を付けた。ただ、そのあとはポジション調整目的の買いなどが入り下げ渋った。市場では「月末の機関投資家による保有債券の残存年限を長期化するための買いが入った」との声も聞かれた。


・原油先物相場は反発。足もとではFRBによる利上げ長期化観測が引き続き上値圧迫要因となっている一方で、中国での景気回復に伴い、エネルギー需要も拡大するとの期待が相場の支えとなっており、神経質な動きも方向感は限定的。


・金先物相場は続伸。この日発表の米経済指標が予想を下回る結果が相次ぎ、安全資産の金に買いが入った。為替相場でドルが重い動きになったこともドル建ての金の買いを後押した。

為替情報部 アナリスト

中村 知博

鹿児島出身。2007年国際金融情報サービス会社に入社。 外国為替取引会社・金融機関への24時間リアルタイム金融情報サービスの為替記者として従事。市場動向や見通しなどを解説する動画サービスの業務も経験。 2017年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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