衆院選後、高市トレードに逆回転
衆院選で自民党が歴史的な勝利を収めた後、金融市場では株価の上昇が見られたが、予想外に債券高、円高が進みました。これは政治の安定、政策推進に期待した「日本買い」の結果とも解釈できるが、選挙後は消費税減税を含めた高市政権の積極財政姿勢が修正されるとの市場の観測も反映されているようです。
ドル円日足チャート

もっとも高市政権の財政拡張方針に修正が見られなければ、再び円売り圧力が強まる可能性は高いでしょう。ただ、米利下げ観測の高まりや米連邦準備制度理事会(FRB)の信頼性低下などでドル安が進み、ドル円の上値を圧迫する可能性もあります。トランプ米政権は、利下げとドル安を通じて11月の中間選挙に向けて景気の浮揚を図ろうとしています。
ドルの信認低下
トランプ米大統領は米国の製造業の復興を早期に実現すると主張し、西半球の支配体制の強化にも力を入れています。同氏が法の秩序を重視した政策に回帰するとは考えにくく、対外政策の強硬化は米国の政策リスクの高め、ドルの信認はさらに低下する可能性があります。
第2次世界大戦後、米国はその経済や軍事力を手掛かりに多国間の自由貿易や経済連携を推進させ、国際的な競争ルールも整備させたが、これはドルの信認があったから実現できました。トランプ米大統領は思いのままに世界に喧嘩を売っており、多くの国から不満が高まっています。これは世界の基軸通貨としてのドルの価値棄損につながっています。米国を中心とした国際秩序は崩壊しつつあり、今後ドル離れが加速することが警戒されます。
ウォーシュ・ショック
トランプ米大統領が次期FRB議長にウォーシュ氏を選任し、市場で急速な価格上昇が続いた金の価格が一時急落しました。ただ、トランプ米大統領は世界的な地政学リスクも高めており、安全資産とされる金の先高観は依然として根強いです。ドルの信認低下が続くようだと、金は一段と上昇基調を強める可能性があります。
中国による金の爆買い
ドルの価値が下落すると各国が保有する外貨準備の価値は目減りします。米国の制裁でドルが使えなくなる恐れも高まります。リスクを分散するため、近年、中央銀行の金保有量を増やしています。特に中国は金準備を大きく増やす一方で米国債の保有を減らし、ドルの信認低下に備えて金保有を積み増すという方針を明確にしています。
また、ウクライナ問題で経済制裁を科されたロシア中銀も金購入を増やしており、政府・銀行だけでなく個人の需要も増加しています。金の価格の上昇はドルの信認低下の裏返しでもあります。



