豪州の利上げ要因
豪準備銀行(RBA)は今年初めての理事会となった2月の2-3日に2023年ぶりとなる利上げに踏み切りました。
では、今回の利上げの要因は何だったのでしょうか?
ブロックRBA総裁は利上げについて4つの点を指摘しています。
・予想以上に強い需要
「最新のデータに基づく最新の見解は、2025年後半の需要は予想よりも強く、その強さの一部は2026年にも引き継がれると考えている」とブロック総裁は述べています。
また「労働市場の状況は良好に推移しており、失業率は予想よりも低い水準にとどまっている」と付け加えています。
・供給制約が強化される
「経済は我々が以前考えていたよりも供給能力に近づいており、これは供給制約がさらに多くのセクターで拘束力を持つことを意味する」
「価格圧力を生み出すには、需要がそれほど増加する必要はなかった」と指摘しています。
・世界経済はより回復力を持つ
3番目にブロック総裁は「依然として高いレベルの不確実性と予測不可能性」があるにもかかわらず、世界経済は「我々が考えていたよりもはるかに回復力がある」ことが判明したと述べています。
この回復力が国内情勢に影響を与え、需要と価格圧力を強めていると指摘しました。
・金融環境が制限的かどうかは「不透明」
そして4番目に「金融状況は緩和しており、全体として引き続き制限的であるかどうかは不透明だ」
「最近のインフレと信用の伸びの上昇は、我々がこれに疑問を抱くには十分だ」と説明しました。
これら4つの要因を総合的に考慮した結果、理事会は政策金利を引き上げる必要があると判断したとブロック総裁は結論付けています。

転換の早いRBA
利上げに踏み切ったRBAですが、豪州は他国と比較すると豪州のインフレ率は変動が多く、RBAは他の主要中銀と比べて政策スタンスの転換が早いです。
これは現在の理事会のメンバーだけでなく、これまでも利上げから利下げへの転換(もしくはその逆)になることが多くありました。
今回も、昨年の8月まで利下げをしていたのが、今年の2月という短期間で利上げに転じています。
なぜRBAが他中銀よりも転換が頻繁に行われるのでしょうか?
いくつか理由がありますが一つ目は同国の金融システムの構造に起因します。
それは豪州の変動金利型住宅ローンの普及しているからとされています。
豪州の住宅ローンの大半は変動金利型または短期固定金利型です。
米国では住宅所有者の多くが30年固定金利型住宅ローンを利用しているため、金利変動が家計に直ちに影響することはありません。
しかし、豪州では0.25%の利上げが数週間以内に口座に反映されることが多くあります。
また、豪州の銀行は通常、RBAの金利変更をほぼ即時に顧客に転嫁するため、RBA理事会は家計にとって常に重大なイベントとなります。
他にも豪州は小規模な開放経済であり、世界的な商品価格や貿易の影響を強く受けます。
これによりインフレ率や雇用統計の変動がより急激になり、RBAは2~3%のインフレ目標範囲内に収めるため、より断固とした対応を迫られることがあります。
以上のような要因が絡まり、RBAの転換が速いことで、同様に豪ドル相場も大きな影響を受けます。
豪ドル円は先週1990年以来となる高値を更新しています。
他中銀よりも転換の早いことで、RBAの動向をしっかりと見ていけば豪ドルは儲けるチャンスがあるともいえることで、豪州のインフレ率などをつねにしっかりと見ていかなくてはやってはいけないでしょう。



