【チャネルライン分析～その②】

チャネルライン分析の考え方

価格（相場）は上昇トレンドにあるときも下降トレンドにあるときも、ジグザグに上下動を繰り返しながら推移する場合がほとんどです。

チャネルライン分析は、より大きなトレンドを捉えるトレンドライン分析に応用でき、価格の近い将来を予測するためにも使われます。チャネルラインには、「上昇チャネルライン」と「下降チャネルライン」がありますが、今回は前回の上昇チャネルラインに続いて、下降チャネルラインについて解説します。

下降チャネルラインの描き方

下降トレンドでは、その起点となる最初の高値から次の高値を通る下降トレンドラインが描かれます。次に、その最初の高値から次の高値の間に形成した安値が存在することになりますが、その安値を起点に下降トレンドラインと平行のラインを引きます。この2 つのラインをまとめて「下降チャネルライン」といいます。上のラインを「ハイアーチャネルライン（higher channel）」、下のラインを「ロワーチャネルライン（lower channel）」と呼びます。

チャネルラインから相場の強弱を読む

下降トレンドでは、節目となる高値は下降トレンドラインに沿って並ぶことが多いです。一方、節目となる安値は必ずしも下降チャネルラインに沿って並ぶと限りません。しかし、節目となる安値がロワーチャネルラインを下回るか未達に終わるかで、トレンドの勢いの変化を察知できます。価格がロワーチャネルラインを下回れば、下降トレンドは勢いが強まっていることを示唆します。一方、未達に終われば、下降トレンドは勢いを失っていることを示唆します。

また、チャネルの幅が広ければ、買い手と売り手の優劣が大きく入れ替わっていることが予想されます。一方、チャネルの幅が狭ければ、優劣の入れ替わりも少ないことが予想できます。

チャネルラインによる推測

チャネルラインは相場の変化の兆しを教えてくれます。図表は、日経平均株価の日足チャートです。Aの高値を起点とした大きな下降チャネルラインとBの高値を起点とした小さな下降チャネルラインが確認できます。右側の矢印の安値は、2つのチャネルのロワーチャネルラインに届かず（未達）に下げ止まり反転、ハイアーチャネルラインを突破して勢いづいています。このように、ハイアーチャネルラインを突破する直前はロワーチャネルラインまで下落せずに反転上昇することが多く、相場の変化の兆しを捉えることができます。