NYマーケットダイジェスト・23日 株安・長期金利低下・ドル底堅い

(23日終値)

ドル・円相場:1ドル=138.59円(前営業日比▲0.01円)

ユーロ・円相場:1ユーロ=149.27円(▲0.60円)

ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0770ドル(▲0.0043ドル)

ダウ工業株30種平均:33055.51ドル(▲231.07ドル)

ナスダック総合株価指数:12560.25(▲160.53)

10年物米国債利回り:3.69%(▲0.02%)

WTI原油先物7月限:1バレル=72.91ドル(△0.86ドル)

金先物6月限:1トロイオンス=1974.5ドル(▲2.7ドル)


※△はプラス、▲はマイナスを表す。


(主な米経済指標)         <発表値>   <前回発表値>

5月米製造業PMI速報値         48.5       50.2

5月米サービス部門PMI速報値      55.1       53.6

5月米総合PMI速報値          54.5       53.4

4月米新築住宅販売件数

前月比                4.1%      4.0%・改

件数                68.3万件    65.6万件・改

5月米リッチモンド連銀製造業景気指数 ▲15       ▲10


※改は改定値、▲はマイナスを表す。


(各市場の動き)

・ユーロドルは3日ぶりに反落。欧州時間発表の5月ユーロ圏製造業PMI速報値が予想を下回り、3年ぶりの低水準となったことを受けてユーロ売り・ドル買いが優勢となった。カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁が「インフレ率が高止まりした場合、追加利上げが必要となる可能性」と述べたことも相場の重しとなり、一時1.0760ドルと19日の安値に面合わせした。

 なお、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は「ECBの金利は十分に制限的な水準に達する見通し」「ECBは金利を必要な限り制限的な水準で維持する」と述べたほか、ナーゲル独連銀総裁は「インフレ抑制のため、ECBはあと数回利上げする必要」などと発言したものの、相場の反応は限られた。


・ドル円は小反落。米10年債利回りが一時3.7572%前後と3月10日以来の高水準を更新すると円売り・ドル買いが先行。米連邦準備理事会(FRB)高官のタカ派的な発言を受けて全般ドル買いが強まると、一時138.91円と昨年11月30日以来約半年ぶりの高値を更新した。

 ただ、節目の139.00円に接近した場面では戻り売りなどが出たため上げ幅を縮めた。米10年債利回りが低下に転じたことも相場の重しとなり、138.29円付近まで下押しする場面があった。


・ユーロ円は反落。ユーロ圏経済指標の下振れを受けてユーロ売りが出たほか、欧米株相場の下落を背景にリスク回避の円買いが入ると一時149.11円と日通し安値を更新した。その後の戻りも149.56円付近にとどまった。


・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落。米債務上限問題を巡る与野党協議に進展が見られず、交渉難航を懸念した売りが広がった。FRB高官のタカ派的な発言を受けて、金融引き締め長期化による景気悪化への警戒も高まり、指数は一時270ドル超下げた。

 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反落。前日に年初来高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りも出た。


・米国債券相場で長期ゾーンは8日ぶりに反発。FRB高官のタカ派的な発言を受けて売りが先行。利回りは一時3.7572%前後と3月10日以来の高水準を付けた。ただ、米国株相場の下落に伴う買いが入ると上げに転じた。足もとで相場下落が続いたあとだけに持ち高調整目的の買いも入りやすかった。


・原油先物相場は続伸。原油の需給逼迫懸念を背景に買いが優勢となった。来月4日に石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」の閣僚級会合で追加減産を表明する可能性への警戒感も買いを後押した。


・金先物相場は小幅続落。カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁が追加利上げの可能性を示唆したことを受けて米長期金利が上昇し、ドルが対ユーロで買われ、金利を生まない資産でありドル建ての金は売りに押された。

為替情報部 アナリスト

中村 知博

鹿児島出身。2007年国際金融情報サービス会社に入社。 外国為替取引会社・金融機関への24時間リアルタイム金融情報サービスの為替記者として従事。市場動向や見通しなどを解説する動画サービスの業務も経験。 2017年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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