特定の銘柄の値動きを1カ月間追いかけてみる「あの銘柄を買ってみた!」
今回は2025年7月に取り上げたソフトバンクグループの値動きを振り返ります。
1カ月で4割の上昇
8月12日の株価は1万4825円でした。7月9日の終値は1万0570円でしたので、値動きをみた期間では4255円の上昇となりました。105万7000円が148万2500円となり、4255円×100株で42万5500円の上昇(手数料・税金等は考慮せず)、上昇率は40.3%とかなり大きなものとなりました。
1Q決算を受けて急伸
それではこの間の値動きを確認してみましょう。
6月に月間で大きく上昇しましたが、強い動きは7月以降も続きました。7月中旬辺りから買いの勢いが強まり、日米の関税交渉合意が伝わって日経平均が大きく上昇した辺りでは1万2500円近辺まで水準を切り上げました。
7月末にかけてはいったん売りに押されましたが、8月に入ると上昇が再開しています。8月7日には第1四半期決算を発表していますが、この内容が好感されて8日と12日は連日で大幅高となりました。
期間中の高値は8月12日の1万4975円、安値は7月15日の1万0205円でした。
日経平均やナスダックの上昇が追い風に
ソフトバンクグループは日経平均との連動性が高い銘柄です。また、米国への積極投資スタンスを打ち出しているという点で、ナスダックが上昇した際に買われやすい銘柄の一つでもあります。7月から8月にかけては、日経平均が上方向への勢いを強め、ナスダックは史上最高値更新基調が続きました。
また、米国ではトランプ大統領が利下げを強く望んでいる中で、経済指標にも弱めのものが散見されていることから、早期の利下げ再開に対する期待が高まっています。ソフトバンクグループのような投資を積極的に行う企業にとって長期金利低下に対する期待が高まることはプラスの材料となりますので、この間は非常に強いフォローの風が吹いていたといえます。
注目度の高い状態が続く
値動きを見た期間では大幅高となりました。
短期間で値幅が出たことから、ここから先の値動きも大きく注目されます。日経平均やナスダックの上昇が続いた際には連動できるという期待はある一方、日経平均が調整色を強めた場合には、象徴的に売られる展開も想定されます。
米国の金融政策にも要注目です。市場が期待する米国の利下げが9月のFOMCで再開されるとなれば、改めて同社のような銘柄が選好される可能性があります。
改めて、日足のチャートを確認してみましょう。1万円は通過点となった格好ですので、次の節目の1万5000円を早々に上回ることができるかどうかが目先の焦点となります。
チャートを見ると、高値と安値をともに切り上げています。こういった動きをしている場合、直前の高値や安値に注意を払っておきたいところです。
仮にここから調整局面に入った場合、一つ前の高値1万2485円(7月25日)や直近安値の1万1275円(8月4日)を割り込む前に反転できるかどうかが注目されます。8月4日の安値1万1275円を下回ってくると、上昇トレンドが終わったとの見方が強まり、手じまい売りが急がれる可能性があります。
一方、高値と安値を切り上げる流れが今後も続くようなら、まだ基調は強いと判断できます。株価は実質的に(分割を考慮して)上場来高値を更新していますので、大きな押し目を作ることなく推移できるようなら、先々では一段と上値が軽くなる展開も期待できます。