NYマーケットダイジェスト・14日 株まちまち・円安・ドル下値堅い

(14日終値)

ドル・円相場:1ドル=140.09円(前営業日比▲0.13円)

ユーロ・円相場:1ユーロ=151.73円(△0.39円)

ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0830ドル(△0.0037ドル)

ダウ工業株30種平均:33979.33ドル(▲232.79ドル)

ナスダック総合株価指数:13626.48(△53.16)

10年物米国債利回り:3.79%(▲0.02%)

WTI原油先物7月限:1バレル=68.27ドル(▲1.15ドル)

金先物8月限:1トロイオンス=1968.9ドル(△10.3ドル)


※△はプラス、▲はマイナスを表す。


(各市場の動き)

・ドル円は4日ぶりに反落。5月米卸売物価指数(PPI)が予想を下回ったことが伝わると、米長期金利の低下とともにドル売りが先行。米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を控える中、ポジション調整目的のドル売りも出て、0時30分過ぎに一時139.29円と日通し安値を更新した。

 ただ、FOMCの結果が伝わると買い戻しが優勢に。米連邦準備理事会(FRB)は13-14日開いたFOMCで市場予想通りFFレートの誘導目標を5.00-5.25%に据え置いた。ただ、同時に公表された政策金利見通し(ドット・チャート)では2023年末の予想中央値が5.6%と3月の5.1%から引き上げられ、年内に0.25%の利上げが2回実施される可能性が示唆された。米利上げが長期化するとの観測からドル買いで反応し、一時140.18円付近まで値を上げた。

 なお、パウエルFRB議長は会見で「ほぼすべての当局者が年内のさらなる利上げは適切だと判断」「インフレ率を2%に戻すには長い道のりがある」「インフレリスクは依然として上向き」「利下げについては2年ほど先の話」などと語った。


・ユーロドルは3日続伸。欧州中央銀行(ECB)の利上げ継続を見込んだユーロ買いが先行したあとは、米インフレ指標の下振れを受けて全般ドル売りが進行。前日の高値1.0824ドルを上抜けて一時1.0864ドルと5月17日以来の高値を付けた。

 ただ、FOMCの結果を受けて米利上げが長期化するとの観測が高まるとドルを買い戻す動きが優勢となり、一時1.0802ドル付近まで伸び悩んだ。


・ユーロ円は3日続伸。利上げを継続するECBと、金融緩和策の継続が見込まれる日銀との金融政策の方向性の違いが意識されて、円売り・ユーロ買いが優勢となった。5時30分過ぎに一時151.78円と2008年9月以来の高値を付けた。


・米国株式市場でダウ工業株30種平均は7日ぶりに反落。FRBが13-14日開いたFOMCでは市場予想通り政策金利の据え置きが決まったものの、同時に公表されたドット・チャートでは23年末の中央値が上方修正され、年内に0.25%の利上げが2回実施される可能性が示唆された。米利上げが長期化するとの観測が相場の重しとなり、指数は一時420ドル超下げる場面があった。

 一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は5日続伸し、昨年4月以来1年2カ月ぶりの高値で取引を終えた。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やエヌビディアなど半導体株が買われ、相場を下支えした。


・米国債券相場で長期ゾーンは反発。米インフレ指標の下振れで買いが先行したものの、FOMCの結果を受けて米利上げが長期化するとの観測が高まると一転下落した。ただ、パウエルFRB議長が会見で「7月FOMCでの利上げはまだ決まっていない」との見解を示すと買い戻しが優勢となり、再び上昇に転じた。


・原油先物相場は反落。米週間原油在庫が積み増しへ転じたことや、引けにかけてドル買い戻しが強まりドル建て原油価格に割高感が生じたことが重しになった。FOMCで今後の年内2回利上げの可能性が示され、金利上昇による景気鈍化がエネルギー需要を圧迫するとの見方もあったようだ。


・金先物相場は4日ぶりに反発。弱い米PPIを受けた米金利低下・ドル売りや、インフレ指標が目先的に落ち着きを示し米金利の据え置きが確実視されるなか金相場は底堅く推移。金利低下が金利の付かない資産である金の相対的な投資妙味を高めたほか、ドル軟化がドル建て金相場の割安感を意識させて買い意欲を誘う材料となった。

為替情報部 アナリスト

中村 知博

鹿児島出身。2007年国際金融情報サービス会社に入社。 外国為替取引会社・金融機関への24時間リアルタイム金融情報サービスの為替記者として従事。市場動向や見通しなどを解説する動画サービスの業務も経験。 2017年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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