香港大引け:3日ぶりに反落、19000ポイント割れ リスク回避が優勢

29日の香港株式市場で、ハンセン指数は3日ぶりに反落。終値は前日比1.24%安の18934.36ポイントだった。中国企業指数は1.45%安の6426.59ポイント。メインボードの売買代金は概算で821億7000万HKドル。

 

ハンセン指数は小高く寄り付いたものの、ほどなくして下向きに転じた。心理的節目の19000ポイントを割り込み、下げ幅を拡大した。米利上げ継続懸念や、人民元安を受けた中国からの資金流出への警戒感が引き続き重荷となった。中国経済の先行き不安が根強いなか、6月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)の発表をあすに控え、リスクを回避する動きが優勢だった。もっとも、18900ポイント付近では下値が堅く、中盤以降はおおむね同水準でもみ合った。

 

ハンセン指数構成銘柄では、スポーツ用品の李寧(02331)と安踏体育用品(02020)、ガス会社の新奥能源(02688)、本土不動産関連の碧桂園服務(06098)と碧桂園(02007)、バイオ医薬品受託開発の薬明生物技術(02269)の下げが目立った。百度(09888)、JDドットコム(09618)、アリババ集団(09988)など大型ネット株の一角が売られ、相場を押し下げた。半面、太陽光発電用ガラスメーカーの信義光能(00968)、台湾系食品メーカーの康師傅控股(00322)、電力会社の華潤電力控股(00836)などがしっかり。

 

ハイテク銘柄で構成するハンセンテック指数は1.71%安の3933.44ポイントと3日ぶりに反落。データセンターの万国数拠(09698)が大幅に続落したほか、動画プラットフォームのビリビリ(09626)も約4%の下げ。半面、上海証券取引所のハイテク新興企業向け市場「科創板」への上場に向けて発行する人民元建て株式を中国政府系ファンドに最大30億元分割り当てると発表した華虹半導体(01347)が大幅逆行高。電気自動車(EV)銘柄の小鵬汽車(09868)が続伸した。

中国株情報部 アナリスト

シ セイショウ

中国・上海出身。復旦大学を卒業後、外資系法律事務所で翻訳・通訳を担当。来日後は証券会社や情報ベンダーでの勤務を経て、2016年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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