AAA=全米自動車協会とは
米国には、AAA(American Automobile Association=全米自動車協会)という組織があります。
頭文字を取って「トリプルエー」と呼ばれており、多くの米国人はAAAと聞けばすぐに分かるほど有名な存在です。
日本で言えば、JAF(日本自動車連盟)に近い存在と言えるでしょう。
日本のJAFが、バッテリー上がりや故障時の救援、レッカー移動などを行うように、AAAも同様のロードサービスを提供しています。
また、AAAはJAFと提携しているため、JAF会員であれば米国でもAAAのサービスを利用できる場面があります。
実際に、私も全米横断をした際や、旅行でレンタカーを借りた際には、AAA窓口でJAFカードを提示することで、さまざまなサービスを受けることができました。
今ではカーナビやスマートフォンの地図アプリが普及していますが、以前はAAAで無料のカラー地図を受け取るのが定番でした。
さらに、例えば「サンフランシスコからロサンゼルスを経由し、アリゾナ州ツーソンまで行きたい」と伝えると、推奨ルートだけでなく、途中の観光地や見どころまで丁寧に案内してくれます。
AAAのデータを見よう!
AAAが優れている点の一つは、全米各地にネットワークを持っていることです。
日本と比べて広大な国土を持つ米国において、AAAは全米規模の生活実感に近いデータを把握できる存在でもあります。
そのAAAが公表しているデータの中で、近年特に市場関係者から注目されているのが、州別のガソリン価格です。
AAAでは全米のガソリン価格を毎日更新しており、全米平均価格も確認できます。
レギュラーだけでなく、プレミアムやディーゼル価格も公表されています。
市場参加者はWTI原油先物価格などを詳細に見ながら取引を行っていますが、実際に米国人がどの程度「ガソリン価格を高いと感じているのか」を把握するには、AAAのデータが非常に参考になります。
特に米国では、1ガロン当たりのガソリン価格について、おおよそ以下のような感覚があると言われています。
2ドル台:かなり安い
3ドル前後:普通・許容範囲
3.5-4ドル:「高くなってきた」
4ドル超:家計負担を強く意識
4.5ドル超:かなり高い、ニュースになる水準
5ドル超:危機的に高い印象
そのため、AAAが公表する全米平均ガソリン価格が4.5ドルを超えている今、米国の消費者心理や政治情勢、市場全体にも影響を与えやすくなっていることが、トランプ大統領の発言に垣間見れます。

1ガロン4.5ドル超の異常値
経済専門の記者以外では、米国のガソリン価格がどの程度まで上昇しているのかを中心に、トランプ米大統領へ質問する場面も増えています。
もちろん、トランプ氏は不動産王一族として裕福な環境で育った人物であり、一般的な米国家庭とは生活感覚が異なる部分もあると思われます。
ただ、車社会である米国では、ガソリン価格の上昇は国民生活に直結する問題です。
特に1ガロン4.5ドルを超える水準になっていることで、多くの米国民が家計負担の重さを強く意識し始めています。
そして、このガソリン価格の動向は消費者心理だけでなく、大統領支持率にも影響を及ぼしています。
そのため、トランプ大統領としても、ガソリン価格の高騰には神経質にならざるを得ません。
特に中間選挙を控える中では、燃料価格の上昇が政権への逆風となっており、原油価格の上昇には一定の歯止めをかけたいところです。
他国のインフレ動向は気にしないトランプ大統領ですが、米国内のガソリン価格の上昇には敏感になっています。
よって、今後のトランプ大統領の発言や対外政策を読み解く上では、米国内のガソリン価格の動向が最も要な判断材料になります。





