29日の香港株式市場で、ハンセン指数は大幅に3日続落。終値は前日比2.26%安の20156.51ポイントだった。中国企業指数は2.78%安の6885.48ポイント。メインボードの売買代金は概算で1296億4000万HKドル。
ハンセン指数は小高く寄り付いたものの、ほどなくして下向きに転じ、前場はほぼ一本調子で下げ幅を拡大した。米対中追加関税の引き下げに対する期待の後退に加え、台湾問題を巡る米中緊張の高まりへの懸念が地合いを悪化させた。ホワイトハウスによると、バイデン氏が中国側の不公正な経済慣行を問題視していると習氏に説明したものの、今後取り得る具体的な措置は議論しなかった。一方、台湾問題について、習氏は台湾の独立や外部勢力の干渉に断固として反対すると表明し、「火遊びは必ず自身を焦がす」と述べた。ペロシ米下院議長が8月に計画する訪台などを念頭に、強い表現で警告した。もっとも、20100ポイント付近では下げ渋り、後場はおおむね同水準付近でもみ合った。終値は5月26日以来、約2カ月ぶり安値を更新した。
ハンセン指数構成銘柄では、ビールメーカーのバドワイザーAPAC(01876)が8%超安と急落したほか、美団(03690)、アリババ集団(09988)、阿里健康(00241)などネット株、碧桂園服務(06098)、龍湖集団(00960)など本土不動産関連株の下げが目立った。半面、太陽光発電用ガラスメーカーの信義光能(00968)、海運株の東方海外(00316)が大幅逆行高。通信キャリアのチャイナ・ユニコム(00762)、チャイナ・モバイル(00941)、民営自動車メーカーの吉利汽車(00175)や、電能実業(00006)など香港地場系銘柄の一角が堅調だった。
ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は4.86%安の4331.19ポイントと大幅に反落。構成30銘柄がすべて下落となり、京東健康(06618)、明源雲集団(00909)、閲文集団(00772)が下落率上位だった。