東日本のんびり旅パスのモデルコース|週末パス後継?3日間で巡る新潟・会津ルート

JR東日本(9020)は2025年6月10日に、「東日本のんびり旅パス」を6月18日より販売すると発表しました。なお、利用期間は7月1日~12月26日となっています。

※本記事は「東日本のんびり旅パス」のモデルコースと使い勝手を解説します。



「週末パス」と「東日本のんびり旅パス」

「東日本のんびり旅パス」は、購入時に指定した利用開始日から連続する3日間について、JR東日本のフリーエリア内の普通・快速列車の普通車 自由席およびBRTが乗り降り自由となります。ちなみに価格は9000円です。「東日本のんびり旅パス」は3日連続で使えるため、モデルコースを組みやすいのが特長です。


リリースを見た瞬間に、2025年6月27日に販売が終了となる「週末パス」の後継かと期待しましたが、「東日本のんびり旅パス」は「新幹線・特急列車、普通・快速列車のグリーン車指定席は利用できません」とあり、この点が「週末パス」と明確に異なっています。キモは“普通・快速中心の旅”でモデルコースを設計する点です。


また、フリーエリアは東日本のんびり旅パスのほうが広いものの、週末パスと異なりJR線以外には乗車できない点などの違いがあります。

行程づくりでは、JR線のみで成り立つコースにしなければなりません。


以下、週末パスと東日本のんびり旅パスの内容をまとめたものです。価格はあまり変わらないものの、新幹線などの利用できることと会津鉄道線の一部などJR線以外も利用できることで、利便性では週末パスに軍配が上がるといえます。

一方で「東日本のんびり旅パス」はのんびり周遊するモデルコースに最適で、費用対効果が高い場面も多いです。



「東日本のんびり旅パス」は「青春18きっぷ」のJR東日本版?

「東日本のんびり旅パス」の内容としては「青春18きっぷ」のJR東日本版といった印象です。価格は「青春18きっぷの3日間用」の1万円より1000円安いですが、「青春18きっぷ」は、全国のJR線の普通・快速列車の普通車自由席、BRT(バス高速輸送システム)およびJR西日本宮島フェリーが自由に乗り降りできますので、フリーエリアの広さが全く異なります。エリア限定の分、東北・新潟・北関東などを深掘りするモデルコースが組みやすいのが利点です。


ただ、JR東日本のフリーエリアでも十分に広いですし、発売と利用期間に一定の定めのある「青春18きっぷ」と違って、8月10日~19日を除きいつでも購入できるというのは魅力です。1000円安いですし。混雑期を外した平日を狙うモデルコースなら、座席確保や乗り継ぎもスムーズです。



「東日本のんびり旅パス」3日間モデルコース(7/5~7/7想定)

2025年7月5日(土)~7日(月)の3日間を想定


1日目:東京(8時29分発)~高崎・水上・長岡で乗り換え~新潟(14時56分着)

到着後は新潟観光。なお、通常の運賃は5720円です。

日本海グルメや港町散策を組み合わせると“海の幸満喫”モデルコースになります。


2日目:新潟(8時35分発)~新津で乗り換え~会津若松(11時59分着)

到着後は会津若松観光。なお、通常の運賃は2310円です。

2日目については、SLばんえつ物語で移動するのもよいでしょう。840円(指定席券)を追加で支払えば、新津(10時03分発)~会津若松(13時36分着)の区間をSLで移動できます。人気がありますので、はやめに指定席を予約しておく必要があります。少額の追加で「レトロ体験」を組み込めるのは本モデルコースのハイライト。


3日目:会津若松(7時35分発)~郡山・新白河・黒磯・宇都宮で乗り換え~東京(13時17分着)

通常の運賃は5170円です。朝発にすることで、帰着後の時間も有効に使えるモデルコースです。


この旅の合計運賃は1万3200円。「東日本のんびり旅パス」価格(9000円)と比較して4200円お得です。ちょっとしんどい旅にはなりますが、コスパ良好なモデルコースといえます


絶景重視の派生モデルコースとして只見線案もあります。1日目に、小出から只見線を利用して2日目の目的地である会津若松に行きます。2日目の自由度が上がる反面一日中列車に乗ったままなので苦行といえます。ただ、只見線は国内有数の秘境路線ですので、絶景を求めるならこちらもおすすめです。


また、3日目に水郡線を利用して水戸まで行き、そこから常磐線で帰ってくるということも可能です。この場合東京到着が2時間程度遅れますので、こちらも苦行といえます。「寄り道型」モデルコース(水郡線経由)は時間に余裕がある方向けです。



最後に

「東日本のんびり旅パス」の旅は、「青春18きっぷ」の旅と同様に、一部区間は別途乗車券を購入し、特急料金を払って新幹線に乗車するということも選択肢に入れておくべきましょう。無理をして体調を崩す方ほうが問題です。安全・快適を優先し、区間限定で特急併用の無理しないモデルコースがおすすめです。


ただ、「東日本のんびり旅パス」は「気の向くままに途中下車ができるようなのんびりとした旅がしたい」というニーズに応えたものということですので、先を急がず途中下車しながら、のんびり列車の旅を楽しむのがよいと思います。途中下車を積極的に組み込むことで、のんびり周遊型モデルコースの魅力が最大化します。


日本株情報部長

河賀 宏明

証券会社、事業会社におけるIR担当・経営情報担当、FPや証券アナリスト講師などを経て2016年に入社。 金融全般に精通。証券アナリスト資格保有。 「トレーダーズ・ウェブ」向けなどに、個別株を中心としたニュース配信を担当。 メディア掲載&出演歴 株主手帳、日経CNBC「朝エクスプレス」、日経マネー

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