株に投資してみたいものの、どの株を買ってよいのかわからないという人は多いと思います。【いまから銘柄選び】では、投資を始めようと考える人たちに向けて、様々なアプローチの銘柄選びの方法をご紹介します。
ローリスクな高配当銘柄を探す
今回は、ローリスクな高配当銘柄を探してみたいと思います。リスクについてはβ値(ベータ値)で判断します。
β値は株価指数(日経平均株価やTOPIX)に対する、個別銘柄の株価の感応度ということができます。なお、今回はTOPIXを使用して算出しますので、まとめると以下のようになります。
・β値が1よりも大きければTOPIXよりもリスクが高い
・β値が1の場合はTOPIXと同程度のリスク(ほぼ同じ割合で動く)
・β値が1よりも小さければTOPIXよりもリスクが低い
つまり、β値が1よりも大きければTOPIX比でハイリスク・ハイリターン、β値が1よりも小さければTOPIX比でローリスク・ローリターンといえます。
ローリスクな高配当銘柄探しでは、β値が0.5以下の銘柄を探します。具体的には、β値が0.5の銘柄はTOPIXが10%上昇すれば5%上昇し、TOPIXが10%下落すれば5%下落するイメージとなります。
β値以外の条件設定は、東証プライム上場、配当利回りは4%以上としています。
結果として、2025年6月18日時点では39銘柄が抽出されました。以下は抽出された39銘柄をβ値の低い順に並べたものです。
ローリスクな高配当銘柄の1位は、医療用医薬品専業の中堅である小野薬品工業(4528)であり、β値は0.18、配当利回りは5.07%となっています(2025年6月18日時点)。
2位は路線トラック草分けで業界最大手のセイノーホールディングス(9076)であり、β値は0.2、配当利回りは4.65%となっています(2025年6月18日時点)。
3位はアフィリエイト(成果報酬型)広告大手のファンコミュニケーションズ(2461)であり、β値は0.3、配当利回りは6.29%となっています(2025年6月18日時点)。
4位は東京23区で投資用マンションを販売するグッドコムアセット(3475)であり、β値は0.32、配当利回りは4.11%となっています(2025年6月18日時点)。
5位は建物賃貸事業の企画・建築、不動産の仲介・管理、およびガス供給などの関連事業を行う大東建託(1878)であり、β値は0.32、配当利回りは4.29%となっています(2025年6月18日時点)。
活用法
上記の39銘柄から自身で選別してこれだと思う銘柄に投資するのもいいでしょう。また、複数の銘柄を組み合わせて、リスク分散を図るのもよいと思います。難しく考えず、単純に上位5銘柄に分散投資するということで大丈夫です。ただ、今回は上位5銘柄に不動産業が2社入っています。リスク分散を図る目的なので、業種をばらばらにすべきです。5位の大東建託ではなく、6位の化学のノエビアホールディングス(4928)や7位の機械のアイチコーポレーション(6345)の組み入れを検討してください。
また流動性リスクも踏まえて時価総額の大きな銘柄を選ぶのもよいでしょう。39銘柄の中では、武田薬品工業(4502)、大東建託(1878)、小野薬品工業(4528)、王子ホールディングス(3861)、長谷工コーポレーション(1808)、丸井グループ(8252)が時価総額5000億円以上となっています(2025年6月18日時点)。
中東情勢の緊迫化や米国の景気先行き不安など警戒すべき事柄は多くあります。相場の動向に一喜一憂したくないという人には、ローリスクな高配当銘柄は魅力的な投資先になると考えます。