マイクロソフトが上場来高値更新

先週はダウ平均、S&P500、ナスダック総合がそろって2週続伸 テクニカルが好転


先週の米国市場では、ダウ平均が0.65%高、S&P500が1.31%高、ナスダック総合が2.37%高と3指数がそろって2週続伸となりました。


前週の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果や弱い雇用統計を受けて米連邦準備理事会(FRB)による利上げサイクルの終了期待が続く中、原油相場が大きく下落したことや、米10年債利回りが安定的に推移したことが株式市場の支援となりました。


S&P500とナスダック総合は8日までそれぞれ8日続伸、9日続伸となり、ともに2021年11月以来の長期連騰を記録しました。


テクニカル指標は大きく好転しました。機関投資家が運用のベンチマークとするS&P500は、10月20日に長期トレンドラインの200日移動平均線を割り込むと、10月27日には同水準からの下落率を2.90%に拡大しましたが、11月2日に200日移動平均線を再び上回り、先週末は3.73%の上方かい離となりました。11月3日に短期トレンドラインの50日移動平均線を上回ると、先週末10日は中期トレンドラインの100日移動平均線も上抜けしました。


 ダウ平均とナスダック総合もそれぞれ9月下旬と10月下旬に200日移動平均線を割り込みましたが、先週末は200日、50日、100日移動平均線を上回って終了しました。


S&P500は7月31日に終値で4588.96ポイントの年初来高値を付けましたが、10月27日に4117.37ポイントで終了し、高値からの下落率は10.28%と「調整相場」入りとなりました。しかし、翌営業日の30日に1%超反発し「調整相場」を抜け出すと、先週末は4415.24ポイントで終了し、高値からの下落率は3.73%に縮小しました。



マイクロソフトが上場来高値を更新 7-9月期の増収増益決算や金利上昇一服を好感


主要3指数が下落率を大きく縮小する中、ハイテク・ジャイアントの一角のマイクロソフトが上場来高値を更新しました。


マイクロソフトは7月18日に366.77ドルの取引時間中の上場来高値を付けましたが、その後長期金利の上昇などが重しとなり、9月28日には309.49ドルまで大きく反落しました。

しかし、10月24日引け後に市場予想を上回る増収増益決算を発表したことが好感され反発すると、11月に入っても米国債利回りの上昇が一服したことも追い風に、先週金曜日は一時370.09ドルまで上昇し、369.67ドルで終了。4カ月ぶりに上場来高値を更新しました。


週明け13日は0.81%安の366.68ドルと反落しましたが、年初来では52.88%高となりました。時価総額は2兆7300億ドルとなり、時価総額トップのアップルの2兆8700億ドルに肉薄しています。


 

マグニフィセント・セブンが大幅にアウトパフォーム


このほかのハイテク・ジャイアントも年初来でS&P500やナスダック総合の上昇率を大きくアウトパフォームしています。


アップル、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン・ドット・コム、エヌビディア、メタ・プラットフォームズ、テスラの時価総額上位のグロース株は「マグニフィセント・セブン」とも呼ばれていますが、年初来のパフォーマンスを見ると、エヌビディアが173.55%、メタ・プラットフォームズが173.55%となったほか、7銘柄の中で上昇率が最も小さいアップルも42.23%高となりました。


マイクロソフトのほか、アップルとエヌビディアが今年上場来高値を更新しています。アルファベットは昨年2月の上場来高値まで12.78%に迫っています。


 


国際金融情報部 アナリスト

羽土 美幸

富山県出身。国内証券で株式等の営業、仏系証券でポートフォリオ分析、転換社債、エクイティ・デリバティブの分析・開発・営業などを担当。 2014年からDZHフィナンシャルリサーチにおいて米国株式、金融市場レポート編集、海外ETF業務を担当。

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