エヌビディアはデータセンターが3.8倍増 アナリストの目標株価は627.50ドルに上昇

先週の米国株は主要3指数がそろって4週続伸


先週の米国市場ではダウ平均が1.27%高、S&P500が1.00%高、ナスダック総合が0.89%高とそろって4週続伸となりました。

S&P500とナスダック総合が6月以来の長期続伸を記録し、ダウ平均も4月以来の長期続伸となりました。


感謝祭ウイークで23日が休場、24日が午後1時までの短縮取引となり、薄商いとなりましたが、米10年債利回りがおおむね安定的に推移したことや、米連邦準備理事会(FRB)による利上げサイクルの終了期待、年末ラリーへの期待などが支援となりました。


注目されたエヌビディアの決算は売上高と利益が予想を上回り、強いガイダンスも示されたものの、米政府による中国向け輸出規制強化の影響で中国市場の落ち込み見通しなどをきっかけに利益確定売りが優勢となりました。


株価は11月21日引け後の決算発表を控えた20日に505.47ドルの上場来高値を付け、終値でも504.09ドルと500ドルの大台を初めて上回りましたが、21日は499.44ドルと小幅に反落し、決算発表を受けた22日は487.16ドルと前日比2.46%安となりました。

感謝祭の祝日明けの24日も前日比1.93%安の477.76ドルと3日続落し、週間で3.09%安と4週ぶりの反落となりました。

 

エヌビディアの決算は予想を上回る大幅増収増益 見通しも予想を上回る


3次元グラフィックスプロセッサー製造の米エヌビディアが11月21日引け後に発表した2023年度第3四半期(8-10月)決算は、売上高が前年同期比3.1倍の181億2000万ドルとなり会社見通しの160億ドルや市場予想の161億8200万ドルを上回りました。

純利益が同6.9倍の100億2000万ドルとなり、調整後の一株当たり利益は4.02ドルと市場予想の3.37ドルを上回りました。

調整後の粗利益率は75.0%となり、2022年度第3四半期の56.1%、前四半期の71.2%からそれぞれ18.9%ポイント、3.8%ポイントの大幅改善となりました。


第4四半期については、売上高見通しを200億ドルとし、市場予想の178億6000万ドルを上回りました。

調整後の粗利益率見通しは75.5%とし、引き続き利益率の改善を予想しています。


中国市場については、中国向け半導体の輸出規制の影響があるとしましたが、その他の市場でそれ以上にカバーできるとしました。

 


データセンターの好調続く、ゲーミングも引き続き回復


部門別では人工知能(AI)向け半導体需要の高まりを受けてデータセンター部門の好調が続いています。

第1四半期(2-4月)に前年同期比14%増、前四半期比18%増の42億8400ドルとなり、過去最高を記録したデータセンター部門の売上高は、第2四半期(5-7月)に前年同期比2.7倍、前四半期比2.4倍の103億2000万ドルに急増し、100億ドルの大台を突破しました。

第3四半期は売上高が145億1400万ドルまで増加し、前年同期比では3.8倍に増加しました。


ビットコイン・マイニング需要の縮小で減少したゲーミングは前年同期比で81.4%増の28億5600万ドルと2四半期連続で前年同期比増収となり、前四半期比では4四半期連続で増収となりました。

 

アナリストは強気を維持 目標株価の平均値は627.50ドルに上昇


エヌビディアの株価は4週ぶりの反落となりましたが、アナリストは強気を維持しています。


リフィニティブが集計するアナリスト54人の投資判断は、「強気買い」が19人、「買い」が32人、「保有」が3人で、目標株価の平均値は627.50ドルと1カ月前の605ドルから大きく上昇しました。


週明け27日は、ジェフリーズが自動運転分野の成長性を評価して、投資判断を「バイ」で据え置いたことが好感され、株価は前日比4.66ドル高(+0.98%)の482.42ドルと4営業日ぶりに反発しました。



国際金融情報部 アナリスト

羽土 美幸

富山県出身。国内証券で株式等の営業、仏系証券でポートフォリオ分析、転換社債、エクイティ・デリバティブの分析・開発・営業などを担当。 2014年からDZHフィナンシャルリサーチにおいて米国株式、金融市場レポート編集、海外ETF業務を担当。

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