日本の上場株式は、普通株の場合、「証券コード」や「銘柄コード」と呼ばれる4ケタの番号が割り振られています。これは、上場している銘柄それぞれの固有の番号です。他の銘柄と区別するために付与されています。
この証券コードが、2024年1月に上昇する銘柄から新しくなります。
証券コードとは
証券コードは、上場株式のみならず、上場投資信託(ETF)や上場不動産投資信託(J-REIT)などや、債券にも1つずつつけられています。みなさんも、個別銘柄の情報を見る際に、銘柄の近くに記されている4ケタの番号を目にしているのではないでしょうか。
証券コードは、「証券コード協議会」によって付与されます。証券コード協議会は、東京証券取引所が事務局を務め、東証ほか地方の証券取引所、証券保管振替機構(ほふり)などから組織されて運営されています。
新聞の株価欄や会社四季報のページは、証券コード順に掲載されています。オンラインで取引注文を出す場合、銘柄名を文字で入力するよりも、数字4ケタの証券コードの方が手軽に入力できます。また、似たような会社名がある場合、証券コードを確認すれば間違いません。
従来、証券コードは、業種別に番号のグループが決められていました。
主なものを挙げると、1300番台の「水産・農業」から始まり、1800番台の「建設」、2000番台は「食品」、3000番台は「繊維・紙」、4000番台は「化学・薬品」、5000番台は「資源・素材」、6000番台になると「機械・電機」で7000番台は「自動車・輸送機」、8000番台が「金融・商業」で、9000番台は「運輸・通信・放送・ソフトウェア」となっています。
以前は、証券コードを見るだけで、その銘柄がどのような事業をしているのかがわかったものでした。
証券コードが足りなくなる?!
ところが新規上場が増えてくると、番号が足りなくなる恐れが出てきました。2000年ごろには一部の業種の中で番号が足りなくなる事態に。業種ごとの枠を越え、新たに上場する銘柄は比較的空きのある2000番台~4000番台に証券コードが割り振られ、現在に至ります。
現在、東京株式市場や地方市場に上場する銘柄数は、上場投資信託(ETF)や上場不動産投資信託(J-REIT)などを含めると、約4,500銘柄です。0001から9999までを全部使うならば、9,999銘柄まで対応できそうですが、実は、そうも言っていられないのです。
証券コードは固有の番号です。上場廃止銘柄や合併により消滅した会社の番号を、使い回して別の新規上場銘柄に付与することはありません。将来的に番号が足りなくなる可能性があるとして、2009年には「いずれ数字だけではなくアルファベットも使う」ことが決められました。
その後、IPO人気も手伝ってか新規上場がハイペースにもなり、「証券コード問題」は徐々に現実味が増すようになりました。2022年初夏から実施に向けて本格的に動き出し、パブリックコメントの募集などを経て、「アルファベットを含む4ケタ」という形にまとまったのです。
2024年新規上場からアルファベットを含んだ証券コードが登場
このような背景から、2024年1月1日以降に設定する証券コードから、4ケタの中にアルファベットが使われるようになります。
とはいえ、2023年までに上場している銘柄に既に付けられている証券コードは、変更ありません。日立製作所は6501、トヨタ自動車は7203、三井不動産は8801、NTTは9432のままです。
では、新たな証券コードは、具体的にどのようになるのでしょうか。証券コード評議会が公表している情報によると、アルファベットを含んでもケタは4ケタのまま。使用する文字は英大文字のうち、「B」、「E」、「I」、「O」、「Q」、「V」、「Z」を除く19文字です。数字に音や形が似ているものがある英文字は、混同しやすいために除外されました。
4ケタのうち、アルファベットが入る位置は、一番右(4ケタ目=一の位)と左から2番目(2ケタ目=百の位)です。今後は、業種を問わず、上場承認の順に自動的に割り振られていきます(表)。
この手順で新しい証券コードが浸透し、数年経つと、アルファベットを含む証券コードを見たら「2024年以降に上場した銘柄だ」と一目でわかるようになるでしょう。
このコラムを執筆している2023年12月4日時点では、まだ2024年1月以降の新規上場が承認されている銘柄は公表されていませんが、第一号は「130A」と決まっています。初の英文字含む証券コードとして、レアな銘柄になりそうですね。
【参考資料】
「2024年1月から証券コードに英文字が入ります!」(証券コード協議会)