【2024年最新】ビッグマック指数でみる日本の順位は44位|低迷する最大の理由を解説

イギリスのエコノミスト誌が発表する「ビッグマック指数」。世界各国のビッグマックの販売価格から購買力をはかる経済指標として、一般の人も参考にしています。


全部で54の国と地域の情報が出ており、2024年7月期のデータで日本は44位でした。本記事では、ビックマック指数を円換算したグラフをもとに、日本が低迷した理由について解説します。


ぜひ参考にしてみてください。


ビッグマック指数とは?2024年における日本の順位は44位

ビッグマック指数とは、イギリスのエコノミスト誌(The Economist)が年2回に分けて発表する経済指標のことです。


世界中のマクドナルドで販売されているビッグマックの現地価格を基準にして、米ドル換算したあとアメリカでの金額と比較して算出しています。


各国の物価を調査するときは為替・税金・原材料費など経済指標で比較しますが、複雑な情報を読み解くのは一般の人には難しいもの。そこで、原材料や調理法が同一であるビッグマックの価格を比較することで、各国の購買力を簡単に見比べられる点が非常に便利でわかりやすい指標といえます。


以下の画像は、2023年と2024年7月期における各国のビッグマック販売価格を円換算で並べたものです。


 

※2024年7月のデータ・ドル円の為替レートは2024年7月時点の1ドル=150.46円で計算

参考:The Economist をもとに筆者が作成


日本も1年間でビッグマック価格が約6.7%も上昇していますが、欧米を中心とした世界各国と比べると安い値段で購入できるのがわかります。


なお、データを算出するときの基準となるアメリカの販売価格は、全体6位の856円でした。


世界一ビッグマックが高い国はスイス

2024年現在において世界一ビッグマックが高い国はスイスであり、円換算で1,200円出さないと購入できない計算です。


過去のビッグマック指数を調べてみても2014年にノルウェーが全体1位を記録したのを最後に、2015年以降は1位をキープし続けています。


基本的にスイスだけでなく、北欧全体の物価は高い傾向です。物価が高い理由として、高賃金国である点が挙げられ、円換算した平均年収は日本の約3倍である約1,360万円と試算が出ています。(2023年時点)


カジュアルなランチを食べるだけで3,000円以上かかるのもよくある話です。したがって、ビッグマック指数がある程度その国の購買力を反映しているといえる証明でもあります。



ビッグマック指数ランキング低下が進む日本

過去のビッグマック指数を見ると、ここ数年で日本のランキング低下は進んでいます。全体で54の国と地域のデータが出ているビッグマック指数において、2010年以降における日本の順位は以下のとおり変化してきました。


・2010年7月:14位

・2015年7月:28位

・2020年7月:25位

・2021年7月:30位

・2022年7月:41位

・2023年7月:44位

・2024年7月:44位


2020年ビッグマック指数において日本の順位は25位であったため、ここ数年で大きく低下してきています。つまり、世界の国々と比べて日本の購買力は徐々に下がっている可能性が高いです。


ビッグマック指数のランキングで日本が低下した要因

ビッグマック指数のランキングが低下した要因はいくつか考えられますが、もっとも大きいのが「円安」です。


2020年7月期の為替は1ドル=105~107円前後で推移していました。しかし、新型コロナウイルス流行後にはじまった世界的なインフレと、アメリカを中心とした政策金利の上昇に伴い円安はどんどん加速。


エコノミスト社が発表した2024年7月時点での為替は1ドル=152~161円で推移していました。以下のグラフは、過去5年間における為替推移です。

 

参照:TradingView


近年では日本の物価が相対的に安くなった影響もあり、外国人観光客数は2024年が過去最大を記録しました。円安が続くようなら、しばらくは外国人観光客の人数も増加傾向のままでしょう。


一方で、私たち一般消費者が外国を訪れる際は、現地の物価も高くなっているため「つぎの大型連休では海外旅行へ行こう!」と気軽に言える空気ではなくなっています。


ビッグマック指数はあてにならないのか?

ビッグマック指数は簡易的に購買力を比較できるのがメリットではありますが、一部では経済指標としてあてにならないという意見もあります。具体的には、以下3つが主な理由です。


・単一商品のみを基準としているため、経済全体を反映していない

・各国の労働コスト・原材料費・税金の違いを考慮できない

・一部の国ではビッグマックが一般的な食品ではなく比較商品としてあてにならない


ビッグマック指数は完璧な指標ではないのも事実だと思いますが、ある一定の水準では参考になると筆者は考えます。


複雑な経済概念を理解するのは難しいため、一般の人が各国の物価事情をざっくりと把握するのなら、とても便利なツールだからです。


あくまでビッグマック指数で比べたとき「日本はこのくらいの位置にいるんだ」「他の国ではこんなに物価が高いんだ」など、世界と比較した日本の現在地を見る指標として参考にしてみてはいかがでしょうか。


独立系ファイナンシャルプランナー

藤崎 竜也

「独立系ファイナンシャルプランナーとして執筆業を中心に活動中。2019年から教育資金や老後資金を蓄えるために投資を始める。実体験をもとに、専門用語をわかりやすく解説するのが得意。2級ファイナンシャル・プランニング技能士資格を取得し、現在は金融ジャンル(資産運用・投資・不動産・保険)をメインに執筆している。

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