株に投資してみたいものの、どの株を買ってよいのかわからないという人は多いと思います。【いまから銘柄選び】では、投資を始めようと考える人たちに向けて、様々なアプローチの銘柄選びの方法をご紹介します。
今回は東証グロース上場企業で株価が大きく下落している銘柄をスクリーニングで抽出します。そのなかにはお宝銘柄が隠れているかもしれません。
項目設定
今回のスクリーニングでは、東証グロース上場で100日移動平均線からの下方乖離が40%以上となっている銘柄を抽出します。
01:市場については、今回は東証グロースとします。

16:乖離率(100日)については、-40%以下とします。

この条件でスクリーニングを行うと2025/12/11更新時点では17銘柄が抽出されました。以下は、下方乖離率が大きい順に並べたものです。

抽出結果の確認
1位は電力フロー可視化アプリ「エネノワ」を展開するインフォメティス(281A)です。
インフォメティスの株価は2025年8月25日に2185円まで上昇。しかし10月22日に「25.12期通期の業績予想の下方修正の可能性」を発表したことで急落。11月13日には実際に業績予想の下方修正を行い、25.12期通期は黒字予想から一転、赤字転落見込みとなりました。
株価下落の要因は急激な業績悪化に伴うものですので、大きく値を下げているとはいえ業績回復の兆しが現れるまでは手を出すべきではないでしょう。
2位は不動産のシステム提供を展開するククレブ・アドバイザーズ(276A)です。
クレブ・アドバイザーズが2025年10月14日に発表した26.8期通期の連結営業利益予想は11.0億円(前期比79.4%増)と大幅な増益を見込んでいます。順調なパイプラインの積み上がりをベースに、売上高、利益の増加を見込むとしており、堅調な業績推移が期待されます。
決算発表後は材料出尽くしもあり売りに押される展開。さらに、10月30日に株式の公募・売り出しを発表し、株価は一段安となりました。なお、調達資金は同社グループのCREソリューションビジネスにおける投資物件取得資金や不動産テックビジネスにおけるシステム開発資金に充当するとしていますので、前向きな資金調達と考えられます。先行きの金利上昇が見込まれる状況は同社にとってマイナスではありますが、売られすぎの可能性があると思います。
3位はアサイーなどアマゾンフルーツの輸入・加工販売が柱のフルッタフルッタ(2586)です。
フルッタフルッタについては、アサイー関連商品の拡大により業績拡大期待が高まりました。2025年8月14日に発表した、26.3期1Q(4-6月)の営業利益は1.6億円(前年同期比11.1倍)と大幅増益となりました。しかし、期待が高すぎたのか、決算を受けた株価反応は売りとなりました。
2025年11月14日には上期の決算を発表。26.3期上期(4-9月)の連結営業利益は2.5億円(前年同期比2.7倍)となりました。増益での着地となったものの、1Q(4-6月)営業益1.6億円に対し、2Q(7-9月)は0.9億円にとどまったことから、決算を受けた株価反応は売りとなりました。
フルッタフルッタについては、利益の伸びが鈍化したとはいえ、前年同期比でみればしっかりと増益となっています。3Qの巻き返しに期待してみるのも面白いと考えます。
最後に
今回取り上げた3社以外にも、ECを軸に若者向けアパレルブランド約30を展開するyutori(5892)、ドローン関連であるLiberaware(218A)やブルーイノベーション(5597)など面白い銘柄が抽出されています。
抽出自体は第1段階です。そこから株価の下落要因を分析すれば、お宝銘柄にたどり着ける可能性は高くなります。今回取り上げた3社を参考にしてお宝銘柄探しにチャレンジしてみるのも面白いと思います。



