株に投資してみたいものの、どの株を買ってよいのかわからないという人は多いと思います。【いまから銘柄選び】では、投資を始めようと考える人たちに向けて、様々なアプローチの銘柄選びの方法をご紹介します。
今回は、東証プライムに上場する銘柄で、「終値:1000円以下」、 「売上高成長率:10%以上」、「 経常増益率:10%以上」、という条件で抽出し、そのなかから3社を紹介します。
終値1000円以下ですので100株購入しても支払う金額は10万円以下(手数料は除く)となります。なお、各種指標は2025年3月17日時点のもの、日足チャートは2025年3月14日までとなります。
ベステラ(1433)
ベステラは、大型プラントなどの解体工事および同工事の設計、コンサルティングなどを行っています。
業績は好調に推移しており、2025年3月12日に発表した25.1期通期の連結営業利益は3.7億円(前の期比51%増)と大幅な増益での着地となりました。プラント解体業において工法や工程管理の工夫により工期短縮に努めるなど、収益力の向上に取り組んだことが寄与したとのことです。
26.1期通期の連結営業利益予想は12.0億円(前期比3.2倍)となっており、大幅な増益となる会社予想となっています。ベステラは、売上規模拡大による利益の安定化を図るとともに、施工人員の積極的な採用、AIを含めたIT技術の活用による見積もりや工事原価管理の精度向上を図り、脱炭素アクションプランで掲げた数値目標の達成をめざすとしています。
株価については、決算発表前に期待買いが入っていたことから、決算発表を受けて利益確定売りが優勢となり、その後の株価は900円台で推移しています。ただ、今後順調な業績推移が確認できれば1000円の大台乗せの可能性は高いと考えます。
【ベステラの日足チャート】
シグマクシス・ホールディングス(6088)
シグマクシス・ホールディングスの事業の軸は、コンサルティングサービス(子会社のシグマクシス)と投資(子会社のシグマクシス・インベストメント)となっています。
シグマクシスHDの業績も好調に推移しています。2025年2月6日に発表した25.3期3Q累計の連結営業利益は44.1億円(前年同期比34%増)と大幅増益での着地となりました。
上記の決算発表と併せて、25.3期通期の連結営業利益予想を従来の54.5億円から56.0億円(前期比32%増)に上方修正。修正の理由は、「おう盛な需要を背景に社内人財の稼働率が計画を上回って推移しており、4Qも同様の傾向が見込まれるため」としています。
この発表を受けて株価は大きく上昇。その後も上昇が続き、決算発表の翌週の2月13日には終値が1004円となり、1000円の大台到達となりました。ただ、勢いは続きません。その後、一時的に1000円大台にのせることもありましたが、900円台での株価推移が中心となっています。
2025年5月に行われると思われる通期の決算発表(前期は2024年5月8日に発表)で26.3期の会社予想が出てくると想定されます。決算発表に向けて決算期待が高まる可能性もありますし、26.3期の会社予想が出てきてから株価が反応する可能性もあります。どちらにしろ10万円で買えなくなる可能性があります。
【シグマクシス・ホールディングスの日足チャート】
カナミックネットワーク(3939)
最後は、自治体、医師会、介護事業者向けクラウドサービスが主力となっているカナミックネットワークです。
カナミックネットワークの業績も好調に推移しています。2025年2月14日に発表した25.9期1Qの連結営業利益は3.7億円(前年同期比19%増)となりました。M&A費用の発生があったものの、クラウドサービスの増収などにより、増益での着地となりました。なお、25.9期の通期の連結営業利益予想は16.0億円(前期比11%増)となっています。
決算発表を受けて株価は一時的に上昇したものの、買いは続かず400円台前半から半ばでの推移が続いています。順調に業績を伸ばしている会社ですので、中長期保有を前提に購入を検討してみるのもよいと思います。
【カナミックネットワークの日足チャート】
最後に
今回は好調な業績かつ10万円以下で購入できる3銘柄を紹介しました。そのうちの2銘柄の株価は900円台ですので、株価動向次第では10万円以下で買えなくなる恐れがあります。今回は10万円以下というコンセプトですので、900円台で買えるうちに狙ってみることをお勧めします。