今回解説していく通貨はメキシコペソ円(mxn/jpy)です。テクニカル的には日足・週足ベースのいずれでも明確な上昇トレンドとなっており、当面は押し目買い方針が有効となりそうです。ファンダメンタルズではメキシコ中銀が今年に入って利下げをいったん休止する可能性が指摘されており、今後のインフレ動向などをにらみながら中銀の金融政策を確認していきましょう。
今後のメキシコペソ円の相場焦点:メキシコ中銀の金融緩和はいったん休止か
まずはメキシコの現在の金融政策状況を確認していきます。
メキシコ銀行(中央銀行)は2021年7月に金融引き締めを開始。2023年4月に政策金利を11.25%まで引き上げて、2024年3月から金融緩和局面へと移行しました。現在の政策金利は7.00%です。
●メキシコ銀行は昨年12月に開催された直近の会合で政策金利を7.00%へと引き下げましたが、その際の声明文では
・2025年10-12月期およびその後の2四半期のヘッドラインインフレ率・コアインフレ率の予測を上方修正
・ヘッドラインインフレ率は2026年7-9月期に目標値に収束すると依然として予想されている
・予測期間におけるインフレの軌道に関するリスクバランスは依然として上振れ傾向
・今後理事会は追加利下げのタイミングについて検討する
などの見解が示されました。
前回までの文言「今後も理事会は金利の引き下げを検討する予定」から表現が修正されており、市場では「中銀は年明けから現在の金融緩和サイクルをいったん休止する」との声が広がりつつあります。足もとのインフレ再加速が中銀の慎重姿勢につながっていると思われ、しばらくはインフレ動向にも注意が必要となりそうです。
メキシコペソ円の週足分析:明確な上昇基調が継続
下図のチャートはメキシコペソ円の週足チャートになります。

昨年の後半に入ってからはそれまでの7円台を中心とするレンジ相場を明確に上抜ける格好となり、足もとでは8.7円台まで上昇。2020年4月安値を起点とする長期の上昇トレンド(チャート上の黄色実線)がしっかりと継続しているようです。
チャート下部に追加した「DMI」で確認しても+DI>-DI(上昇トレンド)を示唆。トレンドの強さを示すADXも数年来の高水準まで上昇しており、明確な上昇トレンドにあることがうかがえます。
メキシコペソ円の日足分析:9円台でも上昇の勢いが維持できるかに注目
今度は短期的な目線からメキシコペソ円の状況を確認します。下図は日足のチャートです。

こちらも昨年4月9日安値の6.84円を始点とする上昇トレンド(チャート上の黄色実線)を形成。チャート下部に追加した「DMI」を確認しても+DI>-DI(上昇トレンド)となっており、目先は上昇トレンドラインを目処にした押し目買い戦略が有効となるでしょう。
今後の上値目標ですが2024年7月高値の9.09円や同年5月高値の9.46円(いずれもチャート上の青色実線)などがポイントになります。重要な上値目処が近づいており、9円台に入っても現在の上昇の勢いが維持できるかが重要になってきます。
今後の取引材料・変動要因をチェック:USMCAの見直し協議やベネズエラ情勢にも注意
最後に今後1カ月間の重要イベントも確認しておきます。注目は日本・メキシコ両国の金融政策。昨年末に日銀が追加利上げに動いた後も為替市場では総じて円安の流れが継続していますが、今後さらに両国間の金利差が縮小していく中で円売りが続くのか確認していく必要があります。
そのほかでは1月から開始される米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の見直し協議の行方、南米ベネズエラを巡る地政学的な緊張がメキシコに与える影響に関しても見極める必要があるでしょう。
その他のイベントは以下の通りとなります。
今後1カ月の重要イベント
1月8日 メキシコ 12月消費者物価指数(CPI)
1月23日 日本 12月全国CPI
1月22-23日 日本 日銀金融政策決定会合
2月5日 メキシコ メキシコ中銀、金融政策決定会合



