先週はダウ平均が2週続伸し、最高値まで300ドルに接近
先週の米国株式市場ではダウ平均が238.57ドル高(+0.50%)、ナスダック総合が0.91%高とそろって2週続伸しました。
ビットコイン価格の大幅下落を受けたリスク回避の動きや、米10年債利回りの上昇が嫌気され週明けに下落してスタートしましたが、その後ビットコイン価格が反発したことや、11月ADP民間部門雇用者数が予想に反して減少し、翌週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ期待が一段と高まったことが相場の支援となりました。
12月月初来ではダウ平均が0.50%高と8カ月続伸ペース、ナスダック総合が0.91%高と反発ペースとなり、年初来ではダウ平均が12.72%高、ナスダック総合が22.10%高となりました。
ダウ平均は終値ベースで11月12日に付けた史上最高値まで299.83ドル(0.62%)に迫り、ナスダック総合も10月29日に付けた終値の過去最高値まで1.59%に接近しました。

S&P500採用の53銘柄が52週高値を更新
ダウ平均が再び史上最高値の更新を伺う中、先週はS&P500採用の53銘柄が52週高値を更新しました。
セクター別の52週高値更新銘柄数は金融が11銘柄と最も多く、一般消費財が9銘柄で2位、資本財が8銘柄で3位となり、ITの6銘柄、ヘルスケア、生活必需品、素材の4銘柄がそれに次ぎました。
52週高値更新銘柄数が最も多い金融では、バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、ゴールドマン・サックス・グループ、モルガン・スタンレー、ウェルズ・ファーゴの大手銀行・投資銀行のほか、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン、シチズンズ・フィナンシャル・グループ、キャピタル・ワン・ファイナンシャル、インベスコ、ステート・ストリート、シンクロニー・ファイナンシャルも52週高値更新となりました。
52週高値更新銘柄数が2位の一般消費財では、ダラー・ゼネラル、ダラー・ツリー、ゼネラル・モーターズ(GM)、ハズブロ、ラスベガス・サンズ、マリオット・インターナショナル、ロス・ストアーズ、アルタ・ビューティ、ウィン・リゾーツが52週高値を更新しました。
3位の資本財ではキャタピラー、スリーエム(3M)、サウスウエスト航空、C.H.ロビンソン・ワールドワイド、カミンズ、エクスペディターズ・インターナショナル・オブ・ワシントン、パーカー・ハネフィン、ロックウェル・オートメーションが52週高値を更新し、
4位のITではアップル、アナログ・デバイセズ、アプライド・マテリアルズ、インテル、キーサイト・テクノロジーズ、テラダインが52週高値を更新しました。
アップルはAIラリーが活況になる中、4月中旬以降の反発が限定的でしたが、足もとでエヌビディアやオラクルなどにバリュエーション懸念が強まる中、新型iPhoneの販売好調見通しを背景に上昇トレンドが復活しました。

マコーミックなど8銘柄が52週安値を更新
S&P500の1割以上の52銘柄が52週高値を更新する一方、先週は8銘柄が52週安値を更新しました。業種別では不動産が4銘柄、生活必需品が2銘柄、金融と素材が1銘柄でした。
不動産では、アレクサンドリア・リアル・エステート、インビテーション・ホームズ、SBAコミュニケーションズ、VICIプロパティーズが52週安値を更新し、生活必需品ではキャンベル・スープとマコーミックが52週安値を更新しました。
スパイス・調味料等製造のマコーミックは8月以降、トランプ関税による原材料コストの上昇懸念から52週安値の更新が続いていますが、業績は安定しています。
10月7日に発表された2025年度第3四半期(6-8月)決算は、売上高が前年同期比2.7%増の17億2500万ドルとなり市場予想の17億1300万ドルを上回りました。純利益が同2.1%増の2億2910万ドルとなり、調整後一株当たり利益(EPS)は0.85ドルと市場予想の0.82ドルを上回りました。
来年1月下旬に発表される第4四半期(9-11月)決算のアナリスト予想平均(LSEG集計)は、売上高が前年同期比4.1%増の17億2500万ドル、純利益が同13.4%増の2億2910万ドル、調整後EPSが前年同期0.77ドルから0.88ドルに増加が見込まれています。
株価は年初来で16.97%安と大幅安となっていますが、株価収益率は22.03倍とS&P500の約28倍を下回っており、配当利回りは3.03%とS&P500の1.38%を2倍以上上回っています。
同社は11月18日に四半期配当を0.45ドルから0.48ドルに引き上げると発表しました。




