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【暗号資産レポート】2026年3月まとめ-BTCに資金回帰、ETHは流出続く

市場動向


2026年3月の暗号資産市場は、月中に一時調整する場面もありましたが、主要銘柄は総じて堅調に推移しました。BTCの対ドル月間上昇率は約1.8%、ETHは約7.7%でした。


同期間の暗号資産全体の時価総額は約2.380兆ドルから約2.379兆ドルへ小幅に減少しました。主要銘柄が上昇した半面、市場全体への波及は限られ、時価総額には大きな変化がみられませんでした。


一方、ステーブルコイン供給は月間で約1.8%増加しました。オンチェーン上の待機資金は小幅ながら増えており、資金環境の底堅さがうかがえます。DeFiプロトコルへの預け入れ規模を示すTVL(Total Value Locked)は月間で約0.6%増加しました。月中には振れもありましたが、月末時点では月初をやや上回る水準を保ちました。


短期的には、ETFフローに加え、オンチェーン上の待機資金やTVLの推移が市場の地合いをみるうえで引き続き注目されます。


BTCやETHの価格推移


2026年3月のBTCは月初の約67000ドルから月末には約68200ドルまで上昇しました。月間では約1.8%の上昇となり、月中に上下動はあったものの、総じて底堅く推移しました。現物ETFには月間で純流入が入り、BTCの需給を支えました。


※BTCドル日足チャート、出所:TradingView


ETHも月初の約1950ドルから月末には約2100ドルまで上昇しました。上昇率は約7.7%と、BTCを上回りました。主要銘柄のなかでは、ETHの上昇が相対的に目立ちました。

※ETHドル日足チャート、出所:TradingView


ETFフロー


2026年3月の現物ETF市場では、BTCは月間ベースで純流入、ETHは小幅な純流出となりました。月内にはいずれも流入と流出が入り交じりましたが、BTCは月初から中旬にかけて流入が優勢でした。


BTC現物ETFは、3月合計で約13.2億ドルの純流入となりました。2日、3日、4日に大口の資金流入が続き、月前半も10日や13日を中心に流入がみられました。一方、月後半には26日、27日に比較的大きな流出も確認されましたが、月前半の流入がこれを上回り、月間では純流入を確保しました。

※BTC現物ETF日次資金フロー、出所:sosovalue


ETH現物ETFは、3月合計で約4600万ドルの純流出となりました。月中には12日や17日に比較的大きな流入がみられた一方、月後半には19日や26日を中心に流出が目立ちました。30日、31日には小幅な流入が確認されたものの、月間では純流出となりました。


※ETH現物ETF日次資金フロー、出所:sosovalue


ETH価格は上昇した一方、現物ETFは月間で小幅な純流出となりました。価格上昇にETF資金の流入は伴いませんでした。


オンチェーンデータ


2026年3月末時点では、市場全体の時価総額が横ばい圏で推移するなかでも、オンチェーン上の流動性は概ね維持されました。現物ETF市場ではBTCとETHで資金フローに差がみられたものの、オンチェーン指標に大きな悪化はみられませんでした。


ステーブルコインの総供給量は、月間で約3099億ドルから約3156億ドルへ拡大しました。オンチェーン上の待機資金は小幅ながら増加傾向にありました。


※ステーブルコイン供給総額、出所:defillama


DeFiセクターのTVL(Total Value Locked)は、月初の約917億ドルから月末には約923億ドルへ小幅に増加しました。月中には一時1000億ドルを上回る場面もありましたが、その後はやや低下し、月末時点では月初をやや上回る水準となりました。オンチェーン資金は大きく減っておらず、流動性は概ね保たれています。


暗号資産関連ニュース


2026年3月は、米国と日本を中心に、暗号資産を巡る制度面の動きが引き続き注目されました。米国では、市場構造法案を巡る協議の難航に加え、SECによる暗号資産分類指針の公表や、トークン化証券に関する規制上の取り扱いの明確化が相次ぎました。


米国では、暗号資産市場構造法案「Digital Asset Market CLARITY Act(CLARITY Act)」を巡る協議が3月に再び難航しました。とりわけ、ステーブルコインの利回りや報酬設計を巡る対立が、法案審議の重しとして意識されました。


また、SECは3月17日、暗号資産の分類に関する指針を公表し、トークンを複数類型に整理した上で、連邦証券法の適用対象を主に「digital securities」とする考え方を示しました。加えて、銀行規制当局はトークン化証券について追加的な自己資本賦課を求めない方針を示しており、関連する制度整備も進みました。


日本では、日本銀行の植田総裁が、金融機関の日銀当座預金をブロックチェーン上で決済する実験を進める方針を示しました。また、金融庁は3月、ステーブルコインや海外の暗号資産サービス事業者に関するFATF報告書の公表を相次いで案内しており、日本でも関連する規制上の論点整理が進んでいます。




アナリスト

チョウ シンウ

広州生まれ。香港浸会大学で学士課程を修了後、コペンハーゲン大学にて学び、修士号を取得。香港の金融データ分野における実務経験を経て、現在はDZHフィナンシャルリサーチにてブロックチェーン・暗号資産分野に関する分析を担当している。

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