和平協議は合意に至らずも
代表的な暗号資産のビットコイン(BTC)は2026年4月15日20時頃、対円では前週(7日前)比3.7%高の1178万円前後で取引されています。14日夜には1カ月ぶりに1200万円台を回復する場面もありました。
BTCドルが7万4000ドル近辺で推移しています。前日のニューヨーク序盤に7万6000ドルまで上げ幅を広げたところで上昇が一服しています。
2週間の停戦で合意した米国とイランは、週末にパキスタンのイスラマバードで和平交渉に臨みました。合意に達することはできませんでしたが、その後に戦闘終結に向けた2回目の協議開催の話が伝わりました。
原油相場の急落とともに、市場のセンチメントは一気に改善しました。リスクオンの流れにビットコインも乗り、上げ幅を広げています。

※Trading Viewより
ストラテジーの買い増し
BTC相場が下げ渋っていた13日、米ストラテジーが1万3927BTCを約10億ドルで追加購入したことを公表しました。今回の取得単価は1BTCあたり約7万1900ドルになります。
これで、上場企業では最もBTCを取得している同社の保有残高は780,897BTCに達しました。平均取得単価は約7万5577ドルです。今回もBTCドルが同価格を超えたところで頭を抑えられたのは、興味深い動きと言えるでしょう。
ストラテジーが買い続けること自体はもはや驚きではありませんが、平均取得単価は市場で意識されやすい水準なのかもしれません。相場がこの近辺を上回って推移できるかどうかは、同社の今後の戦略にも影響するとみているのでしょう。
ストラテジーは株式や優先株の発行を通じて資金を集め、それを継続的にビットコインへ振り向けています。この手法は、企業財務としてはかなり異色です。ビットコインを準備資産として持つ考え方を広げた功績は大きい一方で、事業の成長よりも資本市場とBTC価格への依存度が高まる構図でもあります。
ビットコインが企業バランスシートに入り込む流れは確かに進んでいます。しかしながらこの広がりは、「新しい財務戦略」だけでなく、「値動きへの賭け」の両面を持つものとして見ておく必要があるでしょう。

※Trading Viewより
ETF競争の広がり
米大手金融機関のモルガン・スタンレーは、年初に独自の現物ビットコインETFを申請していました。この4月に上場された新商品は、初日に約3060万ドルを集め、翌日にも約1490万ドルの資金流入があったとされています。
同じく米国では、ゴールドマン・サックスが14日に初のビットコインETFを申請しました。報道によると、単にBTC価格への連動を目指すだけでなく、オプションも活用して追加収益を狙う設計が特徴です。
ゴールドマン・サックスの登場で、これまで「ビットコインに触れられる商品がある」段階から、「どう差別化した商品を売るか」という競争に移りつつあるのが分かります。ビットコインETFは、もはや物珍しくはなく、大手金融機関が工夫の余地を競う領域に入り始めています。
もちろん、こうしたETFへの資金流入が、BTC相場にとってそのまま長期の追い風になるとは限りません。ただ、大手証券の動向で、ビットコインは「一部の人だけの資産」から、「既存金融の棚に並ぶ資産」へと着実に位置づけを変えつつあります。
日本の法改正案
日本では10日、政府が暗号資産を金融商品として扱う方向の金商法改正案を閣議決定しました。これにより、暗号資産にはインサイダー取引規制や情報開示のルールが及ぶ方向となり、市場の監督は一段と厳しくなる見通しです。
ここで重要なのは、日本が暗号資産を「自由にしよう」としているのではなく、むしろ投資商品として監督の枠組みに取り込み直そうとしている点です。株式や既存の金融商品に近いルールで扱う方向が強まっていると言えるでしょう。
さらにその前、先月末には税制面でも改正法が成立しています。ただし成立したからといって、すべての暗号資産取引が一律20%の分離課税になるわけではありません。勘違いしやすいところであり、適用には取引の経路や商品設計など、条件面の確認が必要なようです。
従来の総合課税がただちに全面的に置き換わる話ではないとのことです。つまり、日本では「前向きな制度整備」が進んでいるように見えても、その中身は自由化一辺倒ではなく、監督強化と課税整理がセットで進んでいる局面です。
楽天とXRP
暗号資産XRPが、楽天の決済網に組み込まれる方向になりました。XRPは、米リップル社が国際送金や決済の効率化を念頭に育ててきた暗号資産です。送金時間の短さや手数料の低さが特徴とされ、これまでは金融機関向けの文脈で語られることが多くありました。
今回の楽天とXRPに関するニュースは、暗号資産が相場の材料だけでなく、日常の支払いに近い場面へ少しずつ入り始めていることを示しています。楽天のように利用者基盤の大きいサービスが動けば、投資とは別の角度から暗号資産を見る人も増えてきそうです。
これまでも暗号資産は「使える時代が来る」と言われてきましたが、実際には値動きばかりが先に注目されがちでした。その点、今回の話は、暗号資産が本当に生活の中へ入ってくるのかを考える材料として見た方が面白いでしょう。
暗号資産が、今後すぐに決済の主役になるとは言えませんが、少なくとも「持つ」だけだったものが「使う」に近づく一歩にはなります。日本で暗号資産が広がるかどうかは、価格の派手さより、こうした地道な使い道が増えるかにかかっているのかもしれません。
今週のまとめ↓






