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第194回 米中首脳会談、無難で終了

世界に強い影響を与える米中関係

この数十年、中国は成長を続け、特にこの数年は科学・先端技術などで目覚ましい進展を成し遂げ、真の大国となりました。自他ともに認める世界第2の経済大国となり、世界中、特に新興国でその影響力や威信を高めています。

 

経済のグローバル化が大きく進んだ現代社会で、各国にとって米国・中国との関わりが重要になっているだけではなく、米中両国の関係性からも大きな影響を受けています。中国が経済・軍事力で米国と肩を並べるにはまだ時間がかかりそうだが、そう遠くないでしょう。もう米国を脅かす、対等で戦える存在になっており、両国の覇権争いは今後も世界経済の大きなポイントとなります。両国に対し、世界が望むはお互いに競争・警戒しつつリスペクトする健全な関係性と言えますが、両国が対立を深め、貿易戦争をエスカレートさせると、世界経済は大きな試練にさらされます。

 

北京での米中首脳会談

14-15日、二日にかけて行われた米中首脳会談は、世界にサプライズになるニュースの配信はなく、物足りないとの見方も少なくないが、トランプ米大統領は中国によるボーイング製の航空機、農産物、エネルギー製品の購入拡大などのお土産を持って帰ることになり、一定のメンツを立てることができ、習中国国家主席は世界最強国、米国の大統領であり、強制手段が売りであるトランプ氏と対等で渡り合える姿勢を世界にアピールできました。両首脳が「米中は健全かつ安定した関係を維持する」ことで合意し、関係悪化が回避されたことも、国力の発展に力を入れる習中国政権にとっては良いことでしょう。

 

今回の首脳会談で世間の注目を集めたのはイラン戦争と台湾問題ですが、ことらに関し絵は両国の温度差が目立ちました。イラン戦争について、中国側は両首脳が意見交換を行ったとし、詳細は明らかにしなかったのに対し、トランプ米大統領はイランの非核化やホルムズ海峡の開放などについて協議し、「習中国国家主席が協議に協力する」と述べたと話しています。実際、トランプ米大統領がイランに関して習中国主席から満足する回答を得られなかったのは明確です。

 

台湾問題に関しては、会談が始まってすぐに習中国国家主席が「台湾問題は米中関係でもっとも重要な問題」と強調し、「台湾問題を誤って扱えば米中が衝突するおそれがある」と警告し、世界を驚かせました。いつも強気でペラペラ喋るトランプ米大統領は、台湾問題に関する記者の質問にも沈黙したが、帰りの統領専用機内で記者団に台湾問題について議論したことを認め、「何も約束しなかった」と強調しました。

 

世界を相手に何ぶり構わずの姿勢を示してきたトランプ氏の北京での言動は、どれだけ中国が強くなったのか、同氏がどれだけ中国を重要視しているかが伺えます。トランプ氏は14日、首脳会談後に米FOXニュースのインタビューに応じ、「偉大な二つの国、私はG2と呼んでいるが、歴史上、極めて重要な瞬間として刻まれるだろう」と会談の意義を強調しました。

 

 中国滞在中、トランプ氏は9月24日に習氏夫妻を米首都ワシントンに招待しました。米中両国で開かれる国際会議などを合わせると、米中首脳は今年に残り3回、会談する可能性があります。今回、トランプ米大統領は9年ぶりの中国訪問となりますが、当時と比べると「両国間の力学関係が変わった」ことを印象付ける会談となりました。

為替情報部 アナリスト

金 星

中国出身。横浜国立大学大学院卒業後、国内商品先物会社に入社。 外国為替証拠金取引会社へ出向し、カバーディール業務に携わりながら市況サービスも担当。 2013年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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