日本を代表する産業といえば自動車関連ですが、今回はその業界を下支えする「パイオラックス」と「東洋機械金属」について紹介していこうと思います。好調な業績で5%を狙える内容になっていますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
パイオラックス(5988)
株式会社パイオラックスは、金属や樹脂の「弾性」に特化した技術を持つ部品メーカーです。主に自動車業界で活躍し、1台のクルマに1,500個以上の同社製品が使用されています。精密金属ばね生産からスタートし、自動車の燃料系部品や医療機器事業へと様々な事業を展開している会社です。
「弾性を創造するパイオニア」という企業理念のもと、国内外の多くの自動車メーカーとの取引があり、独立メーカーとして活動しています。また、自動車部品で培った技術を基に、人に優しい医療機器の開発・製造にも取り組んでいる企業です。
パイオラックスの2024年1月現在の株価は、約2400円となっています。前期の同時期も1700円台で推移していましたが、年間を通じて上昇傾向になっています。通期の最終売上高目標は前期より約55億円高い639億円ですが、経常利益の進捗率は第2四半期での進捗は47%と例年よりも上回っている状況で、最終利益も上方修正されています。
パイオラックスの株主優待
株主優待がもらえる権利確定月は3月の年1回になっています。保有数に関わらず100株以上を1年以上保有している場合、QUOカードが贈呈される内容になっています。
300株以上の保有区分でも額面が変わってきますが、3年以上の保有が条件になっていますので、詳しくは以下のイラストをご参考ください。
パイオラックスの株主優待の改悪?廃止の決定について
残念ながら、2024年3月31日時点の株主名簿に記載された株主への優待商品の発送をもって株主優待制度が廃止されることが決定されています。(1年以上の保有が条件)
今後は配当での株主還元を行う方針と発表されています。
パイオラックスの利回り
配当は3月と9月の年2回実施され、前期の年間配当は100円となっていました。そして今期の年間配当は119円が見込まれています。実現すれば3期連続の増配となります。
例えば1株2400円で100株購入した場合、投資金額は約24万円が必要となり、年間で受け取れる配当金は11900円になるので、配当金利回りは約5%となります。また今期で廃止されますが、100株以上を1年間保有した場合の株主優待500円相当を含めると、総利回りは約5.2%となります。
東洋機械金属(6210)
東洋機械金属株式会社は、プラスチック射出成形機、ダイカストマシン、光ディスク成形機などの開発、製造、販売を行う精密機械メーカーです。主な取引先は自動車業界になりますが、食品容器など日常生活に関わる製品生産にも同社の機械が使われています。また国内外に幅広い販売網を持ち、2022年3月期の海外売上高比率は7割を超えている企業になります。
東洋機械金属の強みは、柔軟なカスタマイズ能力と、海外での高いシェアですが、機械の設計からソフトウェアや電気回路の設計までを社内で完結させることができるので、顧客のニーズに細かく対応できる能力を持ちあわせている点です。国内業界において生産台数シェアNo.1を誇り、自動車関連の高強度品からIT向け精密品まで、様々な製品に対応できる高い技術力を持っている会社になります。
東洋機械金属の2024年1月現在の株価は、約710円となっています。前期の同時期は550円台で推移していましたが、年間を通じて株価は上昇しています。
通期の最終売上高目標は前期より78億円ほど少ない275億円ですが、今期の着地は赤字の見込みとなっています。原因は新規事業への参入でコスト高と言われており、次期以降の取り組みに注視されています。また2023年5月には中国子会社従業員による5億円超の資金流用が判明しました。一部決算上での影響も起こっている模様です。
東洋機械金属の株主優待
株主優待は変更される可能性がありますが、2024年1月現在、権利確定月は3月の年1回です。500株以上保有している株主に対して、保有期間に応じたカタログギフトが贈呈されます。
例えば500株以上を3年未満保有した場合は、1000ポイント(1000円相当)が使用でき、3年以上保有している場合は、2000ポイントが使用できる内容となっています。
東洋機械金属の株主優待はいつ届く?
毎年6月下旬に送付される予定となります。申し込みの期限が8月末と短くなっていますので、早めにお手続きするように注意してください。
東洋機械金属の利回り
配当は3月と9月の年2回実施され、前期の年間配当は430円となっていました。そして今期は5円高い年間配当35円の予定となっています。これが実現すれば3期連続の増配となります。
例えば1株710円で100株購入した場合、投資資金は約7.1万円ほど必要となり、年間で受け取れる配当金は3500円になります。配当金だけの利回りは約4.9%となっています。また500株を3年未満保有した場合の株主優待1000円相当を含めると、総利回りは約5.2%となります。
まとめ
今回は配当利回りが5%超えを狙える銘柄について紹介しましたが、いかがだったでしょうか?「パイオラックス」は業績も好調で5%を超えた安定銘柄になっています。ただ株主優待は今期で最後となるため、次期以降はより増配を期待したいところです。
一方「東洋機械金属」は、業績上は苦しい内容ですがポテンシャルの高さから株価は上向いた状況です。購入するタイミングによっては5%超えも狙え、最低投資額も10万円以下からと比較的手を出しやすい銘柄の印象ですので、これらの銘柄について検討していただければと思います。