「あの株はいまいくら?」では、話題になった銘柄の現状を確認します。今回は2026年6月に上場したGO(581A)をみていきます。
事業内容:タクシーデリバリープラットフォームを展開
同社は、配車システム提供などモビリティ関連事業を主業としています。当初はタクシー最大手の日本交通のシステム子会社として1977年8月に設立されました。その後、2011年1月に国内で初めてタクシーアプリを提供開始し、2020年4月にディー・エヌ・エー(DeNA)のタクシーアプリ関連事業と統合したことで現在の体制となっています。
主力のタクシーアプリ「GO」は、タクシー車両とのリアルタイムな位置情報連携と高度な配車ロジックにより「早く乗れる」体験を提供しています。その他、高級ワンボックス車による「GO PREMIUM」、法人向けサービス「GO BUSINESS」、決済サービス「GO Pay」、後部座席タブレットでの広告配信「TOKYO PRIME」など、タクシーを起点とした幅広いビジネスを展開しています。さらに、脱炭素化を目指すEV充電サービス「GO Charge」や自動運転タクシーの社会実装といった新規事業にも積極的に取り組んでいます。
IPO時の状況:期待先行も、上場直後は軟調な滑り出し
2026年6月16日、東証グロース市場に上場しました。公開価格は仮条件(2350~2400円)の上限である2400円に決定しました。
上場当日の初値は2910円と、公開価格を21.3%上回る好スタートを切りました。しかし、上場直後はグロース市場全体の低迷や、今期の業績予想が未開示だったことによる材料不足から売りに押される展開が続きました。上場から約1週間後の6月23日には安値2061円をつけ、一時的に公開価格を割り込む場面も見られました。
直近の株価動向:好決算と強気の見通しでV字回復
株価の転機となったのは、7月14日に発表された26.5期通期決算です。
売上高:414.5億円(前の期比31.8%増)
営業利益:70.4億円(前の期比2.6倍)
親会社株主に帰属する当期純利益:88.4億円(前の期比4.4倍)
売上高・利益ともに大幅な増収増益となり、特に純利益については繰延税金資産の計上というテクニカルな要因もありましたが、事前の業績予想を大きく上振れて着地しました。
さらに、同時に発表された27.5期の業績予想では、売上高485.0億円(前期比17.0%増)、営業利益130.0億円(前期比84.6%増)と、さらなる成長が示されました。
この発表を市場は好感し、決算発表翌日の7月15日には前日比+500円(+20.4%)のストップ高を記録。その後も買い騰勢は衰えず、2026年7月29日の終値は3065円となり、公開価格(2400円)を約28%、初値(2910円)を約5%上回っています。
【GOの日足チャート(上場から2026年7月29日まで)】

今後の見通し:アプリ配車率の向上と新規事業の寄与に注目
同社の成長戦略は明確です。日本の主要10都市におけるアプリ配車率は現在28.6%(26.5期4Q)ですが、海外主要都市の80%前後と比較すると依然として拡大余地があります。同社は圧倒的なシェアを背景に、この配車率をさらに引き上げることで実車数を伸ばす方針です。
また、1実車あたりの平均売上高(ARPR)も169円(前期比19.9%増)と右肩上がりで推移しており、プレミアム車両や予約サービスの拡充が単価向上に寄与しています。
中長期的には、米ウェイモ(Waymo)や日本交通と提携して進めている自動運転タクシーの社会実装が、労働力不足の解決と実車数のさらなる押し上げ(アドオン型の成長)につながるかが大きな注目点となります。
現在のPERは21倍台と、成長性を考慮すれば特段の割高感はなく、国内タクシー市場における圧倒的なポジショニングを活かした収益拡大が続けば、さらなる上値追いの展開も十分に期待できると考えます。



