(23日終値)
ドル・円相場:1ドル=143.31円(前営業日比0.92円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=138.93円(▲1.15円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=0.9687ドル(▲0.0149ドル)
ダウ工業株30種平均:29590.41ドル(▲486.27ドル)
ナスダック総合株価指数:10867.93(▲198.87)
10年物米国債利回り:3.68%(▲0.03%)
WTI原油先物11月限:1バレル=78.74ドル(▲4.75ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1655.6ドル(▲25.5ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標) <発表値> <前回発表値>
9月米製造業PMI速報値 51.8 51.5
9月米サービス部門PMI速報値 49.2 43.7
9月米総合PMI速報値 49.3 44.6
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ポンドドルは急落。トラス英政権が打ち出した1972年以来の大規模な減税策と国債増発計画をきっかけに財政悪化懸念が強まると、英国債相場が暴落(利回りは急騰)。英株安・債券安・通貨安の「トリプル安」となった。4時前に一時1.0840ドルと1985年以来37年ぶりの安値を更新した。
市場では「今回発表された一連の措置に伴う費用は英国の財政では賄いきれず、通貨危機を招く恐れがある」との声が聞かれたほか、「ポンドが信用を失うリスクがあり、1ポンド=1ドルのパリティ(等価)まで下落する可能性がある」との指摘があった。
なお、ユーロポンドは一時0.8937ポンドと昨年1月以来のポンド安水準を付けたほか、ポンド円は155.45円と3月17日以来の安値を更新した。
・ユーロドルは下落。高インフレの長期化と金融引き締めによるユーロ圏景気の後退が懸念される中、英国が発表した大規模な減税と大幅な借り入れ増額で金融市場に動揺が広がった。世界同時株安の様相が強まる中、リスク・オフのドル買いも重なり一時0.9668ドルと02年9月以来20年ぶりの安値を更新した。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時113.23と02年5月以来の高値を付けた。
・ドル円は反発。ダウ平均が一時820ドル超下落するなど、米国株相場が軟調に推移すると、主要通貨に対してリスク・オフのドル買いが先行。円に対してもドル買いが進んだ。9月米製造業・サービス部門PMI速報値が予想を上回ったことも相場の支援材料となり、一時143.46円と日通し高値を付けた。
もっとも、欧州市場では政府・日銀による円買い介入への警戒感から、瞬間的に1円程度急落する場面も見られた。19時前には142.32円付近、20時過ぎには142.38円付近まで、いずれも143円台前半から一気に下落し、すぐに持ち直した。
・ユーロ円は5日続落。ユーロドルの下落につれた売りが出て一時138.67円と日通し安値を付けた。世界的な株安やポンド円中心にクロス円が下落した影響を受けた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落し、20年11月以来の安値となった。米連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げが続くとの見方から、米景気後退への懸念が強まると幅広い銘柄に売りが出た。英政府が大規模な減税と大幅な借り入れ増額を発表したことで、金融市場に動揺が広がり、株売りを誘った面もある。指数は一時820ドル超下落した。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も4日続落し、6月17日以来3カ月ぶりの安値で取引を終えた。
・米国債券相場で長期ゾーンは反発。英国債相場が暴落すると米国債にも売りが波及。利回りは一時3.8248%前後と10年4月以来の高水準を付けた。ただ、米国株が大幅に下落すると、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入ったため相場は上げに転じた(金利は低下)。
・原油先物相場は大幅に反落。世界的な金融引き締めで景気減速は避けられず、エネルギー需要鈍化への懸念が再び持ち上がると売り優勢となった。また、英国財政が大幅に悪化との警戒感から同国資産の売却が進み、これが他のリスク資産を売る動きにも繋がったもよう。一時78.04ドル付近まで下げ幅を広げ、1月以来の安値を更新した。
・金先物相場は3日ぶりに反落。時間外から地合い弱く、2020年4月以来の1650ドル割れまで売り込まれた。米金利が上昇して金利を生じない金の魅力が薄れたこと、為替相場でドル高が大きく進みドル建て金の割高感が高まったことが売りを誘った。NY勢の本格参入後に反発する場面もあったが、1665ドル付近を戻りの高値に再び売り押された。