香港大引け:続落、11年ぶり安値を再び更新 航空株は逆行高

20日の香港株式市場で、ハンセン指数は続落。終値は前日比1.40%安の16280.22ポイントだった。中国企業指数は1.53%安の5512.30ポイント。メインボードの売買代金は概算で1267億7000万HKドル。


ハンセン指数は終始マイナス圏で推移した。米長期金利の上昇を受けた前日の米株安の流れを引き継いだ。19日のNY債券市場で米10年債利回りは一時4.14%を付け、2008年7月以来、14年ぶりに高水準まで上昇した。世界的な景気後退や香港など新興国市場からの資金流出への懸念が一層高まり、リスクを回避する動きが広がった。前場は一時3%超安となり、心理的節目の16000ポイントに迫る場面もあった。後場に入ると、上海総合指数が一時プラス圏に急浮上したことを受けて下げ幅を縮小したが、1週間ぶりに2011年10月4日(16250.27ポイント)以来の安値を更新して終えた。ただ、終値ベースで同安値を割り込むことはひとまず回避した。


ハンセン指数構成銘柄では、医薬品受託開発の薬明生物技術(02269)や、大型ネット株の百度(09888)、ネットイース(09999)、テンセント(00700)が大幅に続落。海運会社の東方海外(00316)、非鉄金属の中国宏橋(01378)、自動車メーカーの吉利汽車(00175)も下げが目立った。半面、製薬会社の翰森製薬(03692)、石薬集団(01093)、香港地場系銘柄の長江実業集団(01113)、新鴻基地産(00016)、スマホ部品メーカーの小米集団(01810)が買われた。


そのほかでは、航空大手の中国国際航空(00753)、中国東方航空(00670)、中国南方航空(01055)がそろって逆行高。中国政府が「ゼロコロナ」政策による経済の下押し圧力に対抗するため、入境者に義務付けている隔離措置を短縮することを検討しているとの報道が材料視された。

中国株情報部 アナリスト

シ セイショウ

中国・上海出身。復旦大学を卒業後、外資系法律事務所で翻訳・通訳を担当。来日後は証券会社や情報ベンダーでの勤務を経て、2016年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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