NYマーケットダイジェスト・14日 株反落・金利上昇・原油安・円安

(14日終値)

ドル・円相場:1ドル=139.89円(前営業日比△1.08円)

ユーロ・円相場:1ユーロ=144.48円(△0.87円)

ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0327ドル(▲0.0020ドル)

ダウ工業株30種平均:33536.70ドル(▲211.16ドル)

ナスダック総合株価指数:11196.22(▲127.11)

10年物米国債利回り:3.85%(△0.04%)

WTI原油先物12月限:1バレル=85.87ドル(▲3.09ドル)

金先物12月限:1トロイオンス=1776.9ドル(△7.5ドル)


※△はプラス、▲はマイナスを表す。


(主な米経済指標)

特になし


(各市場の動き)

・ドル円は3日ぶりに反発。週明け早朝取引に伝わったウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事のタカ派的な発言が意識されて円売り・ドル買いが先行。20時30分前に一時140.80円と日通し高値を付けた。

 ただ、ブレイナードFRB副議長がイベントで「おそらく利上げペースを減速するのが間もなく適切になるだろう」と発言すると139.65円付近まで伸び悩んだ。米国のインフレがピークアウトしたとの期待から、FRBが利上げペースを緩めるとの観測は根強い。


・ユーロドルは3日ぶりに小反落。パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事が「需給動向の不確実性から、どの程度の金融政策の調整が必要かについては慎重であり続ける必要がある」と発言するとユーロ売り・ドル買いが先行し、21時過ぎに一時1.0272ドルと日通し安値を付けた。

 ただ、売り一巡後はブレイナードFRB副議長の発言などを手掛かりに買い戻しが進み、1.0359ドル付近まで下げ渋った。


・ユーロ円は5日ぶりに反発。欧州株相場の上昇を背景にリスク・オンの円売りが出たほか、ユーロドルの持ち直しに伴うユーロ買いが入り一時145.24円と日通し高値を付けた。


・代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは下げ渋り。仮想通貨交換業最大手バイナンスのチャンポン・ジャオ最高経営責任者(CEO)が「FTXトレーディングの破綻の悪影響が連鎖することを抑えるため、業界の回復基金設立に動く」と表明すると、対ドルで一時1万7146ドル前後、対円で240万円台まで買い戻される場面があった。


・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落。ブレイナードFRB副議長が「利上げペースの減速は近く適切になるだろう」と発言するとグロース株中心に買いが集まり、一時210ドル超上昇した。ただ、前週の上げ幅が大きかったことから、利食い売りなども出やすく上値は重かった。引けにかけては再び売りが強まり210ドル超下げた。

 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も3日ぶりに反落。アマゾン・ドット・コムやテスラなどが軟調に推移した。


・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに反落。ウォラーFRB理事が「FRBは次回会合で利上げペースの減速を検討する可能性があるが、インフレ抑制に向けた取り組みが弱まったと受け止めるべきではない」と発言すると、政策転換期待が後退し債券売りが出た。


・原油先物相場は3日ぶりに大幅反落。先週後半は、中国のコロナ関連規制緩和のニュースを受け、需要持ち直しの期待から買われた。しかし、中国の需要持ち直しを確信してよいが不透明な部分もあり反落。石油輸出国機構(OPEC)月報で、今年と来年の世界石油需要の見通しをそれぞれ日量10万バレルずつ下方修正したことも追い打ちをかけた。


・金先物相場は3日続伸。ドル相場や米金利水準の戻りが弱く、先週までのドル安・金利低下を支援とした金上昇の流れは転換しなかった。前営業日比マイナスで取引をスタートしたが、一時1778.4ドルと、先週末の高値1775.6ドルを上抜け。8月25日以来の水準で推移する場面があった。

為替情報部 アナリスト

中村 知博

鹿児島出身。2007年国際金融情報サービス会社に入社。 外国為替取引会社・金融機関への24時間リアルタイム金融情報サービスの為替記者として従事。市場動向や見通しなどを解説する動画サービスの業務も経験。 2017年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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