香港大引け:反発、LPR引き下げや香港・中国本土間の往来規制撤廃に期待

16日の香港株式市場で、ハンセン指数は反発。前場終値は前日比0.42%高の19450.67ポイントだった。中国企業指数は0.66%高の6634.75ポイント。メインボードの売買代金は概算で1360億2000万HKドルだった。


ハンセン指数は荒い値動きの後に小幅高で前場の取引を終え、後場に入ってじりじりと上げ幅を広げた。香港と中国本土の間の出入境制限が来月にも撤廃されるとの期待が強まった上、住宅ローンの目安となる最優遇貸出金利(LPR)5年物が20日に引き下げられるとの観測が浮上し、投資家心理を支えたもよう。もっとも上値を買い上がる動きは限定的。15日のNY市場が米国の景気後退懸念から続落したことで、香港市場でも運用リスクを回避する売りが出た。セクター別では不動産・建設や医療・ヘルスケア、工業が高かった半面、素材と公共事業が軟調だった。


ハンセン指数構成銘柄では、不動産株の碧桂園服務(06098)と碧桂園(02007)、華潤置地(01109)、中国海外発展(00688)、九龍倉置業地産(01997)がそろって大幅に上昇した。海運の東方海外(00316)は8.7%高。薬明生物技術(02269)は子会社が米商務省の輸出注意リストから除外されたことを材料に買われた。前日売られた火鍋チェーンの海底撈国際(06862)は反発。一方、太陽光パネル用ガラスの信義光能(00968)、香港電力持ち株会社の中電控股(00002)、電動工具の創科実業(00669)の下げが目立った。


ハイテク銘柄で構成するハンセンテック指数は0.31%高の4149.22ポイントと反発。オンライン旅行会社のトリップ・ドットコム(09961)、不動産業向けソフトウエアの明源雲集団(00909)、医薬品ネット通販の京東健康(06618)が高い。半面、企業向けクラウドサービスの金蝶国際ソフト(00268)、動画プラットフォームのビリビリ(09626)がともに続落した。

中国株情報部

村山 広介

日本の出版社や外資系出版社に勤務したほか、シンガポールの邦字新聞社でビジネスニュース編集を経験。 2011年8月、T&Cフィナンシャルリサーチ(現・DZHフィナンシャルリサーチ)に入社。

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