香港大引け:反発、金融株に買い コロナ拡大警戒で上値重い

21日の香港株式市場で、ハンセン指数は反発。終値は前日比0.34%高の19160.49ポイントだった。中国企業指数は0.43%高の6500.18ポイント。メインボードの売買代金は概算で692億8000万HKドルと商いは低調だった。


ハンセン指数は高く始まった。前日終値は7日以来の安値とあって、自律反発を狙う買いが先行。20日の米株高の流れを引き継いだ上、アジア時間21日のダウ平均先物の上昇が地合いの改善につながった。ただ、ハンセン指数は前引けにかけて上げ幅を縮小し、後場には小安くなる場面もあった。防疫措置緩和の影響で中国本土と香港で新型コロナウイルスの感染者が急増すれば、労働力不足などで経済活動が停滞するとの懸念が上値を重くした。セクター別では素材と医療・ヘルスケア、通信が高い半面、コングロマリットと公共事業がさえない。


ハンセン指数構成銘柄では、銀行株のHSBC(00005)と招商銀行(03968)、保険株の中国平安保険(02318)と中国人寿保険(02628)が買われて相場を支えた。申洲国際集団(02313)はOEM顧客の米ナイキの四半期決算を材料に買いを集め、5営業日ぶりに急反発。火鍋チェーンの海底撈国際(06862)、白物家電メーカーの海爾智家(06690)、通信キャリアのチャイナ・ユニコム(00762)も大幅に上昇した。一方、香港コングロマリットの新世界発展(00017)、電動工具メーカーの創科実業(00669)が続落。電気自動車メーカーのBYD(01211)も売られた。


ハイテク銘柄で構成するハンセンテック指数は0.71%高の4024.84ポイントと3日ぶりに反発。データセンターの万国数拠(09698)、電気自動車の小鵬汽車(09868)、半導体ファウンドリーの華虹半導体(01347)が高い。半面、ヘルステックの平安健康医療科技(01833)や不動産業向けソフトウエアの明源雲集団(00909)が下げた。

中国株情報部

村山 広介

日本の出版社や外資系出版社に勤務したほか、シンガポールの邦字新聞社でビジネスニュース編集を経験。 2011年8月、T&Cフィナンシャルリサーチ(現・DZHフィナンシャルリサーチ)に入社。

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