NYマーケットダイジェスト・5日 株安・金利上昇・ドル高

(5日終値)

ドル・円相場:1ドル=133.41円(前営業日比△0.78円)

ユーロ・円相場:1ユーロ=140.38円(▲0.26円)

ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0522ドル(▲0.0082ドル)

ダウ工業株30種平均:32930.08ドル(▲339.69ドル)

ナスダック総合株価指数:10305.24(▲153.52)

10年物米国債利回り:3.72%(△0.04%)

WTI原油先物2月限:1バレル=73.67ドル(△0.83ドル)

金先物2月限:1トロイオンス=1840.6ドル(▲18.4ドル)


※△はプラス、▲はマイナスを表す。


(主な米経済指標)        <発表値>   <前回発表値>

12月米企業の人員削減数(前年比)   129.1%      416.5%

12月ADP全米雇用報告       23.5万人      18.2万人

11月米貿易収支        615億ドルの赤字 778億ドルの赤字・改

前週分の米新規失業保険申請件数  20.4万件     22.3万件・改

12月米サービス部門PMI改定値    44.7        44.4

12月米総合PMI改定値        45.0        44.6


※改は改定値、▲はマイナスを表す。


(各市場の動き)

・ドル円は3日続伸。12月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が23.5万人増と予想の15.0万人増を上回ったことが分かると全般ドル買いが先行。その後発表された11月米貿易収支や前週分の米新規失業保険申請件数などが予想より強い結果となったこともドル買いを促し、一時134.05円まで上値を伸ばした。

 ただ、134円台では戻りを売りたい向きも多く、徐々に上値が重くなった。ブラード米セントルイス連銀総裁の「インフレは依然として高すぎるが、緩やかになっている」「2023年にはインフレが緩和するだろう」との発言が「タカ派色を弱めた」と受け止められたこともドルの重しとなり、一時132.96円付近まで下押しした。


・ユーロドルは反落。しばらくは1.0600ドルを挟んだもみ合いの動きが続いていたが、良好な米経済指標が相次ぐと、米長期金利の上昇とともにドル買いが先行。1時前に一時1.0515ドルと日通し安値を更新した。

 ただ、ブラード氏の発言を受けて米長期金利が上昇幅を縮めると1.0543ドル付近まで下げ渋った。


・ユーロ円は反落。ドル円の上昇につれた買いが入ると一時141.36円と本日高値を付けたものの、ユーロドルの下落につれた売りが出ると140.14円付近まで押し戻された。ダウ平均が一時450ドル超下落するなど、米国株相場が軟調に推移したこともリスク回避目的の円買い・ユーロ売りを誘った。


・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反落。12月ADP全米雇用報告など、この日発表の米経済指標が軒並み予想を上回ったことで、米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めが長期化するとの懸念からハイテク株などに売りが広がった。指数は一時450ドル超下げた。

 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反落し、同153.52ポイント安の10305.24で取引を終えた。米長期金利の上昇を受けて高PER(株価収益率)のハイテク株には売りが出た。


・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに反落。この日発表の米経済指標が軒並み予想を上回ったことで、米利上げが長期化するとの見方から債券売りが進んだ。ただ、ブラード米セントルイス連銀総裁から「インフレは依然として高すぎるが、緩やかになっている」「2023年にはインフレが緩和するだろう」との発言が伝わると、買い戻しが進み下げ幅を縮めた。


・原油先物相場は3日ぶりに反発。昨日まで大きく値を下げていた後とあって買い戻しが先行。米最大級のコロニア・パイプラインがメンテナンスで一時稼働停止となっていることも買いを誘った。


・金先物相場は5日ぶりに反落。外国為替市場でドル買いが進んだことを受け、ドル建てで決済される金の割高感が意識された。また、米長期金利が上昇したことも金利がつかない金の重しになった。

為替情報部 アナリスト

中村 知博

鹿児島出身。2007年国際金融情報サービス会社に入社。 外国為替取引会社・金融機関への24時間リアルタイム金融情報サービスの為替記者として従事。市場動向や見通しなどを解説する動画サービスの業務も経験。 2017年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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